2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づくファイトプラズマの人工培養系の確立と形質転換換の試み
Project/Area Number |
17658151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
難波 成任 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (50189221)
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Keywords | ファイトプラズマ / ゲノム / 退行的進化 |
Research Abstract |
ファイトプラズマを人工培養するための培地条件および環境条件の検討を行うため、Phytoplasma asteris OY strainのゲノムプロジェクトより得られた配列情報をもとに、代謝系およびトランスポーター遺伝子について詳細な解析を行い、昨年度は、ファイトプラズマが多くの物質を宿主に依存して生活する退行的進化を遂げた生物であることを明らかにした。今年度は、OY strainと近縁なAYWB strainのゲノムが2006年に米国で解読されたことを受けて、両者の比較ゲノム解析を行い、地理的に隔離されたこれらのゲノムにおける可塑性と保存性を調べるとともに、ファイトプラズマに共通して欠けている代謝系を調べた。まず、両ゲノムのGC-skew値を調べたところ、他のグラム陽性細菌と異なり、ゲノム全域にわたって不規則であり、ゲノムの再編成が頻繁に起こった痕跡を示唆した。また、両strain間におけるオーソログ遺伝子の構成を比較したところ、並び方の保存されていない約300kbpのゲノム領域が認められた。これらの結果は、ファイトプラズマゲノムが可塑性に富んでいることを示唆しており、ファイトプラズマが周囲の環境に柔軟に対応して進化してきたためではないかと考えられた。一方、OY strainと同様に、アミノ酸合成系や脂肪酸合成系、ペントースリン酸回路、F_0F_1型ATP合成酵素の遺伝子がゲノム中にコードされていないことが明らかとなり、これらの遺伝子欠損はファイトプラズマに共通した特徴であることが示唆された。これらの結果から、ファイトプラズマを人工培養するためには、アミノ酸、脂肪酸に加えて、ATPなどの核酸類を培地に添加することの重要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Presence of two glycolytic gene clusters in a severe pathogenic line of Candidatus Phytoplasma asteris.2007
Author(s)
Oshima, K., Kakizawa, S., Arashida, R., Ishii, Y., Hoshi, A., Hayashi, Y., Kagiwada, S., Namba, S.
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Journal Title
Molecular Plant Pathology (in press)
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[Journal Article] Positive selection acting on a surface membrane protein of plant-pathogenic phytoplasmas.2006
Author(s)
Kakizawa, S., Oshima, K., Jung, H.Y., Suzuki, S., Nishigawa, H., Arashida, R., Miyata, S., Ugaki, M., Kishino, H., Namba, S.
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Journal Title
Journal of Bacteriology 188
Pages: 3424-3428
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[Journal Article] Interaction between the membrane protein of a pathogen and insect microfilament complex determines insect-vector specificity.2006
Author(s)
Suzuki, S., Oshima, K., Kakizawa, S., Arashida, R., Jung, H.Y., Yamaji, Y., Nishigawa, H., Ugaki, M., Namba, S.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 10
Pages: 4252-4257