2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規な弱いカチオン性活性化学種を用いる有機合成反応の開発
Project/Area Number |
17659006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)
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Keywords | アセタール / TESOTf-2,6-ルチジン / カチオン性活性化学種 / TESOTf-2,4,6-コリジン / 混合アセタール / 脱THPエーテル / 炭素-炭素結合形成反応 / Gilman試薬 |
Research Abstract |
アルデヒド由来のアセタールをTESOTf-2,6-ルチジンにより処理すると、弱塩基性条件下にアセタールを選択的に脱保護してアルデヒドにできる合成化学上重要な新規な方法を見出し、反応の中間体はルチジニウム塩であることをつきとめた。今回、本反応で生成する弱いカチオン性活性化学種を用いる有機合成反応の開発を目的として研究を行い、以下の成果を得た。 (1)ルチジン以外の種々の塩基でも収率良く反応が進行することを見出し、塩基として2,4,6-コリジンが最も優れていることを明らかにした。 (2)NMR及びMSを用いて、中間体の測定を行い、中間体が不安定なルチジニウム塩及びコリジニウム塩であることの確証を得た。 (3)反応液に水の代わりに種々のアルコールを加え、アルコールがカチオン性活性中間体に攻撃した種々の混合アセタールを得た。また反応が塩基性条件下に進行する本法の特徴を生かして、従来の酸性法では用いることの出来ない種々の官能基を持つ混合アセタールの生成にも成功した。 (4)アセタール型保護基であるTHPエーテル類の脱保護にも成功した。この場合にも、従来の酸性の脱保護法では用いることの出来ない種々の官能基を持つTHPエーテル類の脱保護も問題なく進行する。 (5)アセタールをTESOTf-2,4,6-コリジンで処理して得た中間体に対して、種々の有機金属試薬を加えて炭素-炭素結合形成反応を検討し、有機金属試薬としてGilman試薬を用いるとカチオン中間体と収率良く反応し、目的を達成することが出来た。この場合も従来法では達成できない、ケタールの存在下にアセタールを選択的にアルキル化することができる。
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Research Products
(4 results)