2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体内の有機シグナル物質cAMPを高選択的に検出する人工蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
17659007
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
白井 直洋 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 講師 (80080208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 慎一 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (90254309)
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Keywords | 多点水素結合 / ホスト-ゲスト / オキサゾール / ウレア / ヘテロ5員環 |
Research Abstract |
平成18年度までにWatson-Crick型およびHoogsteen型水素結合による多点水素結合によりアデニン塩基を認識するホストを開発した。さらに、水素結合とπ-πスタッキング相互作用を組み合わせたホストの開発も行った。今年度は、さらなる選択性の向上と錯体形成能の強化をめざした。 多点水素結合部位と協同的に働くπ-π相互作用による蛍光応答官能基の導入を試みた。当初計画した化合物は有機溶媒に対する溶解性に乏しくその機能を測定するに至らなかった。種々検討したが、残念ながらこの問題を克服することできなかった。 一方、今までに開発したホスト分子のoxazol-4-yl urea構造に着目し、その多点水素結合部位としての機能を解析した。このoxazol-4-yl urea構造は従来型の3点水素結合型モジュールpyrid-2-yl ureaに比べて錯形成能が100倍高いことを発見した。この現象をNMRおよび分子軌道法計算(B3LYP/6-31+G**)により解析した結果、ヘテロ環の環の大きさが重要な要因であることを解明した。6員環の場合、隣接するカルボニル基との立体反発が生じる結果、多点水素結合に不利な構造が優先するが、5員環の場合、そのような立体反発が少なく強い多点水素結合に最適な構造であると判明した。 ヘテロ5員環ウレアが多点水素結合のモジュールとして適した構造であるというコンセプトで、新しい多点水素結合ホストの開発を始めることが出来るようになった。
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Research Products
(4 results)