2006 Fiscal Year Annual Research Report
サーモセンシングタンパク質の立体構造解析と医療への応用
Project/Area Number |
17659012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉山 政則 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30106801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 孝則 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70274058)
的場 康幸 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90363051)
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Keywords | サーモセンシング / リプレッサー / 結晶化 / X線結晶構造解析 / タンパク質・核酸複合体 / Streptomyces albus |
Research Abstract |
放線菌Streptomyces albusが産生するRheAはリプレッサータンパク質であり,熱を感知してその構造を可逆的に変化させるサーモセンシング機能を有する。本研究では,RheAのサーモセンシング機能を構造生物学的に明らかにするとともに,その機能を医療に役立つ分子スイッチの開発へ応用することを目的としている。 昨年度,C末端ヒスチジンタグ付きRheAとその特異的なオペレーターDNAとの複合体の結晶化に成功し,複合体結晶のX線回折実験を行ったが,構造解析に十分な回折強度データは得られなかった。そこで,天然型RheAの大腸菌における発現を行い,各種クロマトグラフィーの手法を用いることにより,その精製系を確立することができた。本年度は,天然型RheAを大量に取得後,その結晶化を行った。シッティングドロップ蒸気拡散法により結晶化を行ったが,数百種を超える結晶化条件を検討したにもかかわらず,結晶は生成しなかった。天然型RheAとオペレーターDNAとの複合体の結晶化も試みたが,結晶は生成しなかった。天然型RheAの精製は困難であり,かつ,結晶も生成しない。そこで,精製の容易なヒスチジンタグ付きRheAへ回帰することにした。ただし,C末端ヒスチジンタグ付きRheAとオペレーターDNAとの複合体の結晶化に成功しているが,その結晶は良質のX線回折データを与えない。RheAのC末端領域はDNA結合部位と考えられることから,C末端ヒスチジンタグが良質結晶の生成を妨げている可能性がある。したがって,N末端ヒスチジンタグ付きRheAを用いることにした。現在,N末端ヒスチジンタグ付きRheAの発現系を構築している。
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Research Products
(3 results)