2005 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルス受容体CARと相同性を有する可溶性新規タンパク質sCARの機能解析
Project/Area Number |
17659023
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
水口 裕之 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, プロジェクトリーダー (50311387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 健二 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 主任研究員 (50356234)
櫻井 文教 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤研究部・遺伝子導入制御プロジェクト, 研究員 (70370939)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルス / 受容体 / CAR |
Research Abstract |
高効率な遺伝子治療用ベクターとして繁用されているアデノウイルス(Ad)ベクターは、細胞表面受容体であるCAR(coxsackievirus and adenovirus receptor)を介して感染することが知られている。CARは免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞接着分子であり、このファミリーに属する分子は互いに相同性を有することが知られている。そこで、CARと相同性を有する新規タンパク質を探索するため、ESTデータベースを検索したところ、CARと非常に相同性の高い新規タンパク質sCAR(similar to CAR)を同定することができた。sCARは3つの免疫グロブリン様領域を有した390アミノ酸から成る可溶性タンパク質であった。マウスにおけるsCARの発現をRT-PCRにより検討したところ、肺や心臓、腎臓など多くの組織で発現が見られ、特に脳および卵巣で高い発現が見られた。sCARはCARのAdベクター結合部位とほぼ同様の一次構造を有していたため、次に、Adベクター感染におよぼすsCARの影響を調べた。SK HEP-1細胞にsCAR遺伝子を導入しAdベクターを感染させたところ、親株に比較し有意に感染が阻害された。また、sCAR導入SK HEP-1細胞の培養上清にもAdベクター感染阻害活性が見られた。したがって、sCARはAdベクターおよび野生型Adの生理的感染阻害タンパク質である可能性が示唆された。この可能性をさらに確認するため、現在、sCARのリコンビナントタンパク質を大腸菌あるいはバキュロウイルス等で作成し、このタンパク質によるAdベクターの感染におよぼす影響を検討しているところである。
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Research Products
(2 results)