2005 Fiscal Year Annual Research Report
血液脳関門を介したミクログリアの脳内移行に関与する分子の同定
Project/Area Number |
17659026
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
駒野 宏人 国立長寿医療センター, (研究所)・アルツハイマー病研究部, 室長 (40170378)
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Keywords | ミクログリア / 血液脳関門 |
Research Abstract |
本研究は、ミクログリアの持つ血液脳関門(BBB:blood-brain barrier)通過機能に関与する分子を同定し、その実態を明らかにすることである。そのために、BBBを構成している内皮細胞をトランスウェルのメンベレン上(孔サイズ:3μM)に培養し、ミクログリアがトランスウェル上部チャンバーから下部チャンバーに通過するというトランスマイグレイションアッセイを確立し、これを用いて、これに関与するミクログリア上の分子の同定を実施する。今年度は、マウス由来株化ミクログリアRa2[澤田(名古屋大学)により樹立]を用いて、トランスマイグレイションアッセイのための下記の至適条件検討を行った。 (1)まず、用いるマウス由来脳毛細血管内皮細胞株が、トランスウェルメンベレン上で物質透過のない単層をつくるかどうか、また、それに必要な培養時間を、トランスウェル上層と下層との電気抵抗の測定により確認した。 (2)次に、上記トランスウェル上層に共培養したRa2細胞が、下層に移動するかどうか、また、この移動がミクログリア走化因子ATPの依存性があるか否かを調べた。その結果、10μMATPを下層に添加すると、添加後2日後に、顕著に下層に移動するミクログリア数が増えることが明かとなった。また、マクロファージ由来の細胞株Raw細胞では、下層への移動や、そのATP依存性は認められなかった。したがって、このトランスマイグレイションアッセイ系は、ミクログリアのBBB通過機能を反映していると思われた。 平成18年度は、Ra2細胞よりレトロウイルスベクターとするcDNAライブラリーを作成し、平成17年度に確立したトランスマイグレイションアッセイ系を使って、実際に関与するcDNAのスクリーニングを開始する予定である。
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Research Products
(4 results)