2005 Fiscal Year Annual Research Report
アダマンタンアミン類の精密構造修飾に基づく高特異的イオンチャネルブロック薬の創製
Project/Area Number |
17659028
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩渕 好治 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211766)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 茂樹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70374949)
澁谷 正俊 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (40359534)
|
Keywords | アダマンタンアミン / アザアダマンタン / アダマンタンアミノ酸 / グルタミン酸受容体 / イオンチャネル / NMDA / アンタゴニスト / キラルアダマンタン |
Research Abstract |
当研究室で独自に開発したアダマンタンの不斉修飾法の活用を基軸として、多置換アダマンタンおよびアザアダマンタンを精密合成することが可能となった。そこで、未開拓となっていた光学活性アダマンタン類の医薬資源として可能性を開発するべく、中枢神経系グルタミン酸受容体への作動性という観点から構造-活性相関を検討した。 新規に合成した20種類のアダマンタン誘導体について、電気生理学的手法を用いてその神経薬理学的評価を行ったところ、アダマンタンアミノ酸Ad001がラット海馬C1領域における長期増強現象を強く抑制することを見出した。本化合物の活性は抗アルツハイマー薬として臨床で用いられているメマンチンを凌駕するものであった。興味深いことに、Ad001のジアステレオマーであるAd002は、Ad001と同濃度において神経細胞に対する強い毒性示すことが明らかとなった。アダマンタン骨格の官能基の3次元的配置の差異が特異な生理活性として反映されるという知見は神経薬理学的に興味深く、中枢神経系の機能解明に資する分子プローブとしての活用性開発が期待される。これまでの検討の結果、Ad001はAMPA型グルタミン酸受容体には殆ど作用を及ぼさない一方、NMDA型グルタミン酸受容体に結合してアンタゴニスト活性を発現することが強く示唆されている。現在、Ad001の立体異性体を種々合成して、構造活性相関に関する情報収集を行っている。
|