2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659037
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小野崎 菊夫 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20101313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀敏 名古屋市立大学, 助教授 (80198853)
瀧井 猛将 名古屋市立大学, 講師 (80244573)
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Keywords | 関節リウマチ / 化学物質 / タバコ / IL-1 / IL-6 / IL-8 / 多環芳香属化合物 |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)は、原因不明の多発性関節炎を主体とする進行性炎症性疾患である。種々の研究から、関節滑膜細胞から産生されるIL-1が本疾患に重要な役割を果たしていることが明らかにされている。極めて興味深いことに、西欧では17世紀までは関節リウマチ(RA)の記載はなかった。今日、タバコとRAの関係は疫学的に証明されている。タバコはアメリカ大陸発見後にアメリカから西欧に取り入れられた。本研究は、タバコの成分や化学物質とRAとの関係を明らかにすることを目的とする。 まず、タバコの煙抽出物をマウスに投与した時に関節炎を誘導するか条件検討を行った。タバコの主流煙、副流煙をフロイント不完全アジユバントに溶かし、DBA1マウスの右足鼠頸部皮下に2週間おきに2回投与したが、関節炎は起きなかった。そこで、そのマウスの後ろ足food padにオリーブオイルにとかしたタバコ煙成分を注射したところ、オリーブオイル単独投与群に比べてタバコの煙投与群では関節の腫脹が認められた。次に、Balb/Cマウスの後ろ足のfood padにオリーブオイルにとかした主流煙、副流煙を一回注射したところ、関節の腫脹が認められた。しかし、オリーブオイル単独でもかなりの腫脹が認められた。現在、コラーゲン誘導性の関節炎モデルを用い検討中である。 また、ヒトRA患者由来線維芽細胞様滑膜細胞株MH7Aをin vitro培養下、主流煙、副流煙で刺激したところ、共に用量依存的にIL-1α,IL-1β,IL-6,IL-8のmRNAの発現が誘導された。誘導は4-8時間後に始まり24時間まで持続した。また、多環芳香属化合物(Ah)の受容体(AhR)アンタゴニスト、α-ナフトフラボンを用いた実験により、IL-1α,IL-1βはAhRを介していること、IL-6,IL-8はAhR非依存的な経路によりmRNAが誘導されていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)