2005 Fiscal Year Annual Research Report
NFκB活性化抑制に基づく新しい臓器移植における拒絶抑制法の開発
Project/Area Number |
17659046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20135594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 茂 京都大学, 薬学研究科, 助手 (20322307)
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Keywords | NFκB / 移植片拒絶 / 遺伝子デリバリー / NFκBデコイ / ターゲティング / 炎症性サイトカイン / Kupffer細胞 / リポソーム |
Research Abstract |
移植治療において、移植片拒絶は移植片の生着率およびレシピエントの生死に関わる重大な問題であり、新しい概念に基づく免疫抑制法の開発が期待される。そこで、移植片拒絶の引き金となる炎症性サイトカインの過剰産生抑制が有効な拒絶抑制法になると考え、本研究ではサイトカイン産生を制御する転写調節因子NFκBの活性化抑制に基づく移植片拒絶抑制法の開発を目指す。 まずin vitroでの検討により、細胞内分布とサイトカイン産生抑制効果の相関を評価したところ、NFκBデコイを作用部位である細胞質へ送達するキャリアのデザインが重要であることが明らかとなった。次に、静脈内投与後NFκBデコイを標的細胞であるKupffer細胞選択的に送達するための方法論として、レセプター認識を利用したリガンド修飾が有効であると考えた。そこで、Kupffer細胞に特徴的に発現しているフコースレセプターによるフコース認識の利用を目的に、我々の開発したフコース修飾コレステロール誘導体(Fuc-C4-Cho1)と、エンドソームから細胞質への送達を目的にpH感受性脂質DOPEを組み合わせフコース修飾カチオン性リポソーム(Fuc-リポソーム)を調製した。マウスへ静脈内投与後、Fuc-リポソームNFκBデコイ複合体は速やかに肝臓へ高集積し、その肝クリアランスは肝血流速度とほぼ同程度であった。また、ガドリニウムクロライド処理しKupffer細胞による取り込みを抑制したマウスにおける複合体の肝取り込み量は、正常マウスの肝取り込み量に比べ低かったことから、Kupffer細胞への取り込みが示唆された。 以上、静脈内投与によりNFκBデコイをKupffer細胞選択的に送達可能なデリバリーシステムの確立に成功した。
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Research Products
(4 results)