2005 Fiscal Year Annual Research Report
動的光散乱法を中心とした糖尿病性白内障進展過程の解析と予防薬/治療薬開発への応用
Project/Area Number |
17659048
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石井 邦雄 北里大学, 薬学部, 教授 (90137993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 努 北里大学, 薬学部, 講師 (10296519)
斉藤 麻希 北里大学, 薬学部, 助手 (40365185)
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Keywords | 糖尿病 / 白内障 / 水晶体 / 動的光散乱 / 薬理学 |
Research Abstract |
1.実験的糖尿病白内障ラットの作製:申請者は、ラットにstreptozotocin(STZ)を投与後、飲水として5%ブドウ糖溶液を与え、700mg/dl以上という超高血糖を維持することにより、10週間以内で成熟する白内障を再現性よく誘発する実験モデルを確立した。本モデルの抗白内障薬スクリーニングにおける有用性を明らかにするため、動物実験で抗白内障効果が報告されているアルドース還元酵素阻害薬GP-1447を用いて検討した。Wistarラット(♂、7週齢)にSTZ(65mg/kg,i.v.)を投与し、5%ブドウ糖溶液を与えつつ、0.01%GP-1447含有飼料で10週間飼育した。その間、独自に構築したラット水晶体撮影装置を用いて定期的に水晶体のデジタル画像を取得した。GP-1447非処置群では、STZ投与後3〜4週で軽微な水晶体混濁が現れ始め、8〜10週で殆どが成熟白内障となった。一方、GP-1447処置群では、10週を通して白内障の混濁は殆ど観察されなかった。なお、両群間に、血糖値その他のパラメターに顕著な差は認められなかった。以上より、本モデルは抗白内障薬のスクリーニングを比較的短期間に実施することができ、創薬への応用という点で極めて有用性が高いと考えられた。 2.小動物を対象としたin vivo水晶体断面観察法の確立:項目1で使用したラット水晶体撮影装置を用いると、精確な水晶体混濁の平面的分布を把握することができるものの、三次元的な情報は得られない。この問題点を克服するため、申請者は眼科診療で汎用されている細隙灯顕微鏡(本年度申請備品)を実験用小動物に応用すべく、現在、デジタルカメラの接続法や撮影条件の検討を行っているところである。 3.動的光散乱法による水晶体内粒子系分布の測定:測定用キュベット内における水晶体懸垂法を始めとして、現在、実験条件の詳細を詰めているところである。
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