Research Abstract |
1)小動物を対象としたin vivoおける白内障評価法の確立: まず申請者は取得したラット水晶体平面様を元に,糖尿病性白内障の進行過程についてCotlierの分類に従い,6段階に分類しスコア化した;0,澄明;1,辺縁部の水痘形成;2,中心部の部分的な白濁;3,広汎にわたる白濁;4,核の白濁;5,全体的な強い白濁. さらに細隙灯顕微鏡(平成17年度申請備品)をラットに応用し,水晶体断面像撮影を行った. これにより,平面像では観察観察が困難であった前嚢部の白濁(前白内障段階)の検出が可能となった.また,平画的分布でスコア3に分類された水晶体でも,細隙灯顕徴鏡で観察すると核白内障に移行している例もあることが明らかとなった.これら水晶体断面様についても以下のようにスコア化した;0,澄明;1,前嚢部の白濁;2,皮質の部分的な白濁;3,皮質の広汎にわたる白濁;4,核の白濁;5,皮質及び核の強い白濁.これら平面様及び断面様から判定したスコアを合計することにより,11段階での白内障評価法を確立した.この評価法を用い,ある種の抗酸化薬の白内障に対する効果について検討した結果,核の白濁形成を遅延させる効果を有することを見出した(特許出願中).この評価系は,白内障予防薬及び進行阻害薬のin vivoスクリーニング系として有用であると考える. 2)動的光散乱法(DLS)による白内障進行に伴う水晶体蛋白質の粒度分布変化の追跡: プローブ式濃厚系粒度分布解析装置を,麻酔下のラットに応用できるか否かにつき,予備的検討を行った.健常及び白内障ラット(スコア10)とを比較すると,白内障ラットでは健常ラットに比べ大きな粒径が検出され,明らかに粒度分布が異なっていた.更なる検討は必要ではあるが,DLSによりin vivoでの白内障の検出が出来たことから,新たな白内障検出機器として応用できる可能性が示された.
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