2005 Fiscal Year Annual Research Report
深部組織における痛覚の測定法に関するシミュレーション及び実験的研究
Project/Area Number |
17659066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川喜田 健司 明治鍼灸大学, 生理学講座, 教授 (60076049)
梅田 雅宏 明治鍼灸大学, 脳神経外科, 講師 (60223608)
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Keywords | 筋性疼痛 / 圧痛 / 三次元有限要素法 / シミュレーション / ヒト / 表面麻酔 / 皮脂厚 |
Research Abstract |
筋肉の痛みの程度や閾値の非侵襲的経皮的測定法としての圧痛覚閾値測定法の妥当性を検討した。まず、経皮的圧刺激によって筋に与えられる力が、プローブサイズや皮下脂肪の厚さによってどのような影響を受けるか調べることを目的として、ヒト被験者を用いたMRI実験と三次元有限要素法によるコンピュータシミュレーションを行った。まず、MRIの高磁場環境下で経皮的圧刺激による組織の変形の撮像を行うため、非金属の材料のみを用いて前腕部に一定の方向と大きさの力を加える装置を開発した。次にこの装置を用い1例のMRI像を元にモデルを構成し、サイズの異なるプローブを用いた時の応力分布と変位をシミュレーションし、小さなプローブを用いた場合には応力が深部に及ばないことを明らかにした。また、皮下脂肪の厚さが異なる被験者から数段階の経皮的圧刺激に対する皮膚・皮下組織・筋の変形をMRIで撮像した。現在この実験をシミュレーションで再現するためのデータ入力を行っており、これを解析することによっておのおのの組織でどの程度の力が生じているかを推定する予定である。 筋圧痛覚閾値測定に適した刺激子の形状(今回は直径)を知るため、針から直径15mmまでの4種類の刺激子を用い、キシロカインパッチによる表面麻酔の前後で34名の被験者で圧痛覚閾値を調べた。針によるピンプリックと直径1mmの刺激子によって調べた圧痛覚閾値は皮膚表面麻酔後に低下したが、直径1.6mmと15mmの刺激子で調べた圧痛覚閾値には変化が生じなかった。従って直径1.6mm以上の刺激子を用いれば、筋圧痛閾値を測定できると推定される。さらに皮脂厚の違う被験者を用いて、この結果の有効性、限界を明らかにする。
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Research Products
(2 results)