2006 Fiscal Year Annual Research Report
深部組織における痛覚の測定法に関するシミュレーション及び実験的研究
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17659066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 賢 名古屋大学, 大学院医学研究科, 助手 (50432258)
川喜田 健司 明治鍼灸大学, 生理学講座, 教授 (60076049)
梅田 雅宏 明治鍼灸大学, 脳神経外科, 講師 (60223608)
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Keywords | 筋圧痛閾値 / 有限要素法 / コンピュータシミュレーション / 筋内応力分布 / 経皮的圧痛測定法 |
Research Abstract |
筋肉の痛みの程度や閾値の非侵襲的経皮的測定法としての圧痛覚閾値測定法の妥当性を、有限要素法によるコンピュータシミュレーションと実験により明らかにすることを目的とした。 (1)前年度の研究で人間における実験結果では、直径2mm以上の刺激子を用いれば筋圧痛閾値を測定できるということであった。今回はラットで調べた。von Frey毛(直径0.5mm)と直径1.3mmの刺激子を装着したRandall-Selitto鎮痛計で測定した圧痛閾値は、EMLAクリーム(2.5%lidocaine+2.5%priocaine)を30分間塗布することにより、有意に上昇した。一方、直径2.6mmの刺激子を装着したRandall-Selitto鎮痛計で測定した圧痛閾値はこの処置に影響されなかった。従って、直径2.6mmの刺激子を装着したRandall-Selitto鎮痛計によって測定された圧痛閾値は、深部の(おそらく筋の)圧痛閾値を反映していると考えられる。(2)皮下脂肪の厚さの影響についてシミュレーションを行ったところ、皮脂厚2.3mmの場合に比べ5.4mmでは、筋への圧の伝達が約10%程度減弱することが明らかになった。皮下脂肪の厚さが異なる被験者で、数段階の経皮的圧刺激に対する皮膚・皮下組織・筋の変形をMRI像に撮像した。これと上記の有限要素法で解析した結果との比較を行い、パラメータの調整を試みているところである。有限要素法の結果からは、皮下脂肪の薄い集団と厚い集団で筋圧痛閾値を比較する場合(例えば、若年女性と閉経後女性)には、この点を十分考慮する必要があることがわかった。(3)また、衝撃波を用いた刺激法を研究訪問先のハイデルベルク大学(ドイツ)で経験してみたが、生じた感覚は深部の感覚ではあるものの筋からのものとは全く性質が異なったので、実験を見送った。
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Research Products
(1 results)