2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香月 博志 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40240733)
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)
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Keywords | 網膜 / 神経節細胞 / 興奮毒性 / NMDA受容体 / グリシン / アポトーシス / D-セリン |
Research Abstract |
興奮性神経毒性の発現に重要な役割を担うNMDA型グルタミン酸受容体は、その活性化にグリシン結合部位の刺激が必須であるが、網膜での興奮毒性障害における内在性グリシン結合部位リガンドの役割は明らかになっていない。そこで、NMDA硝子体内投与により誘発される網膜神経節細胞(RGC)の脱落におけるグリシン結合部位の役割について検討した。7週齢SD系雄性ラットの硝子体内に薬液を注入し、その3日後に両側上丘内に4%fluoro-gold(FG)を注入してRGCを逆行性に標識した。硝子体内薬液投与の7日後に眼球を摘出し、網膜伸展標本を作製して、一定面積内においてFGにより標識されたRGCを計数した。NMDA(20および200nmol)の投与は生存RGC数の著明な減少を引き起こした。200nmol NMDAにより誘発されるRGC数の減少、網膜内網状層の菲薄化、TUNEL陽性細胞数の増加はいずれもグリシン結合部位遮断薬である5,7-ジヒドロキヌレン酸(300nmol)の同時投与によりほぼ完全に抑制された。さらに20nmol NMDAにより誘発されるRGC数の減少はグリシン結合部位アゴニストであるグリシン(10nmol)あるいはD-セリン(10nmol)の同時投与により増悪し、D-セリン分解酵素であるD-amino acid oxidase(30mU)を前投与することにより部分的に抑制された。以上の結果から、網膜内在性のD-セリンがNMDA誘発障害に寄与することが示された。内在性グリシン結合部位リガンドの量的変動は、興奮毒性による網膜障害に影響を与えうると考えられる。
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Research Products
(12 results)