2005 Fiscal Year Annual Research Report
オーファンGPCRリガンドapelin-新規血管新生因子
Project/Area Number |
17659074
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 副学長(教授) (70107100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 紀人 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (10335367)
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Keywords | Apelin / VEGF / RF / 6A / HIF-1α / 遺伝子欠損マウス / 眼奇形 / KKAy / 糖代謝能 |
Research Abstract |
ApelinはオーファンGPCRのひとつAPJの内因性リガンドとして同定された、13あるいは36アミノ酸残基のペプチドである。本研究ではapelinの血管新生作用の詳細を解析してVEGF, angiopoietinなどの既知の血管新生因子との差別化を行い、さらにそのシグナルのクロストークを明らかにすることで、新規血管新生因子としてのapelinの確立をはかることを目的として実施し、以下の結果を得た。 1.アカゲザル網膜血管内皮(RF/6A)細胞等を用いた検討から、特定の血管内皮細胞の遊走、細胞増殖、血管腔様構造形成に対して、apelin-13および-36が用量依存的に促進作用を示すこと、これらの作用がVEGFとほぼ同等であることを見出した。 2.RF/6A細胞において、chemically-induced hypoxia処置がapelin mRNAの発現誘導を惹起する一方、APJは発現誘導しないこと、またapelinのプロモーター領域にHIF(hypoxia-induced factor)-1α結合配列が存在することを明らかにした。 3.角膜ポケット解析系を用いてapelinのin vivo血管新生作用を解析したところ、単独では有意な作用は認められなかったが、VEGFによる血管新生促進作用をapelin-13が増強することを見出した。 また、apelin欠損マウス(apelin-KO)において、血管新生に関連する以下の表現型を明らかにした。 4.Apelin-KOで高頻度に眼の白濁異常が認められることを明らかとし、この異常が雄よりも雌マウスでより高頻度に認められること、発達過程の比較的早期に生じることを見出した。また組織化学的解析から、この白濁異常は主として前房の欠如に起因することを明らかにした。 5.Apelin-KOと肥満糖尿病マウスKKAyとの交雑マウスを作製し、まずその糖代謝機能を解析したところ、肥満発現に伴う体重や摂食量の増加、血糖値や血中インスリン値の増加に対して、apelinの欠損は大きく影響しなかったが、肥満マウスの白色脂肪でAPJが著しく発現増加することを見出した。
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Research Products
(6 results)