2005 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞内オルガネラ膜上タンパク質の一分子可視化技術の開拓
Project/Area Number |
17659076
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (70275147)
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Keywords | イオンチャネル / カリウムチャネル / 細胞内カルシウム動態 / 一分子可視化 / 全反射蛍光顕微鏡 / オルガネラ / 細胞膜 / 小胞体 |
Research Abstract |
細胞内小器官(オルガネラ)や細胞膜上に発現する機能性タンパク(イオンチャネル、受容体、酵素等)は、発生から遺伝子発現、神経伝達物質の遊離、筋収縮、学習や記憶の高次機能に至るまで様々なレベルの生命現象に関与し、生体の恒常性維持に寄与している。本研究の目的は、全反射蛍光顕微鏡を利用して、生きた細胞内で機能しているオルガネラ膜や細胞膜表面上のイオンチャネルのリアルタイムでの機能を一分子可視化法により解明することにある。さらにその技術を一般化して、その他の機能性タンパクを一分子可視化し、その機能解析に新分野を切り開くための端緒としたいと考えている。今年度は、細胞膜表面上のイオンチャネルに焦点を絞り、その3次元動態を全反射蛍光顕微鏡を利用した一分子可視化法によって、生細胞の状態でリアルタイム観察した。電位依存性K^+チャネルのN末端に緑色蛍光タンパク(GFP)を融合させたGFP融合型イオンチャネルを設計・作製し、ヒト胎児腎臓由来(HEK293)細胞に遺伝子導入して、細胞膜表面に再構築させた。現在、このイオンチャネルの3次元動態の一分子可視化に成功し、その詳細な解析によって、依然想像の域を出ないイオンチャネルのダイナミックな動態が明らかになりつつある。この成果を踏まえて、オルガネラ(小胞体やミトコンドリア)膜上に存在するイオンチャネルを標的にした研究も遂行している。本研究において、イオンチャネルの生細胞膜上でのダイナミックな動態が明らかとなり、その分子基盤に基づいた創薬が成立すれば、イオンチャネルや受容体、酵素等の膜機能タンパクを標的とした創薬や疾患治療法の開拓に革新をもたらすと考えられる。
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Research Products
(9 results)