2005 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞より造血幹細胞をex vivoで誘導する試み
Project/Area Number |
17659084
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
瀧原 義宏 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60226967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (10211799)
安永 晋一郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (50336111)
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Keywords | ポリコーム遺伝子群 / 幹細胞 / 幹細胞性 / 分子基盤 / DNA複製ライセンス化 / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
生体外でES細胞から各種血球細胞を誘導することは可能であるが、造血幹細胞を誘導することはできなかった。しかし、体節の特性を指示するホメオティックセレクター遺伝子であるHoxb4を高発現すると生体外でもES細胞から造血幹細胞を誘導することができる。したがって、Hoxb4は造血幹細胞の発生を指示するセレクター遺伝子である可能性が考えられる。しかし、Hoxb4が造血幹細胞の発生を指示する分子基盤については今のところ全く解っていない。 本研究では、造血幹細胞の増幅制御に必須の役割を果たしていることを独自に明らかにしてきたポリコーム遺伝子群(PcG)とHoxb4がともにDNA複製ライセンス化因子Cdt1の阻害因子Gemininと結合することを見つけるとともに、さらにPcGがその構成因子の一つであるScmh1を介してGemininをユビキチン化することによってタンパク質の安定性を制御していることを明らかにした。したがって、DNA複製ライセンス化制御が幹細胞の活性及び発生に重要な役割を果たしていることが解る。そこで、Cdt1を幹細胞に高発現し、DNA複製ライセンス化を誘導することによって造血幹細胞の増幅及びES細胞から造血幹細胞を誘導することを企画したが、レトロウイルスベクターを用いた遺伝子導入系では充分な誘導効果が得られなかった。Cdt1はタンパク質のレベルにおいても制御されていることが知られているが、Cdt1の発現量が過剰であるため、再複製を誘導し、チェックポント機構が働いたものと推測された。 本研究では造血幹細胞の誘導には至らなかったが、その成果は幹細胞性を指示する分子基盤解明に重要な情報を提供することが期待される。
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Research Products
(6 results)