2006 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン受容体細胞内ドメインは転写因子となりうるのか?
Project/Area Number |
17659085
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 利之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (40325296)
湯浅 智之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
勅使川原 匡 徳島大学, 分子酵素学研究センター, COE研究員 (40403737)
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Keywords | シグナル伝達 / 糖尿病 / 転写因子 / インスリン受容体 |
Research Abstract |
申請者らはインスリン受容体細胞外ドメイン(αサブユニット)がヒト血中に遊離して存在している事を発見し、それが糖尿病発症と関連している事を見出した(論文投稿中)。そこで、インスリンシグナル伝達に関して新たな展開が予想された。すなわち、インスリン受容体と類似のEGF受容体はその細胞外ドメインが切断されると、それが引き金となり、細胞膜内でγ-secretase(presenilin)によりEGF受容体の細胞内ドメインが切断され(RIP : Regulated Intramembrane Rroteolysis)、核内に移行し、転写因子となることが報告された。いくつかの受容体で同様の報告がされている。この事実はEGF受容体と基本構造が類似したインスリン受容体の場合も、細胞外ドメインの切断が引き金となり、細胞内ドメインがRIPにより切断され、核内に移行し、転写因子として働く可能性が充分予想される。事実、申請者らがヒト胎盤よりインスリン受容体タンパク質を精製してくると、必ず、βサブユニットの細胞膜直下で切断された48kdの断片が回収される。またインスリン受容体の場合もEGF受容体と同様にトランスメンブレイン直下に核移行シグナル様のアミノ酸配列が存在する。CHO・hIR細胞を用いIRb'またはpIRb'(48kd)が核内に存在するか否か、形態学的に抗β抗体を用い検討している。 現在までの所、インスリン受容体βサブユニットの一部が核内に移行しているという事実はつかんでいない、今後はさらに検出感度を上げるようシステムを改良する必要がある。
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Research Products
(2 results)