2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659090
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
深水 昭吉 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (60199172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 純治 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (30323257)
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Keywords | 胎児発育遅延 / 妊娠中毒症 / 妊娠高血圧 / 少子高齢化 / 受容体 / シグナル伝達 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本年度(〜平成18年3月31日)の研究実施計画 妊娠高血圧マウスでは,母体における妊娠後期の高血圧に加え,胎盤構造の異常,求心性心肥大、たんぱく尿などが観察されている.胎児に関しては,顕著な子宮内胎児発育遅延(IUGR)と高い周産期死亡率、また産児に関しては心不全およびチアノーゼ様症状が観察されている(未発表).また,周産期死亡を回避できた個体に関しても,生後3ヶ月ほどで血管破裂による死亡などその後の罹患率が高いことが判明している(未発表). 「妊娠高血圧マウス」(FASEB J.18,388-390,2004;Science274,995-998,1996)と新規7回膜貫通型受容体APJ受容体ノックアウトマウス(J.Biol.Chem.279,26274-26279,2004)を最大限活用し,平成17年度は下記の研究計画を実施した. (1)母胎環境が病的状態での胎児の発育 妊娠高血圧マウス母体の胎児は,17日目を堺にIUGRが発生することが観察される(未発表).17日目以降のIUGRを伴う胎児の病理解析を行い野生型と比較した結果,肺と脳に相違点がある可能性が示された. (2)胎児発育遅延を生じる受容体シグナル系の同定 妊娠高血圧マウスを発症する♀マウスは,ヒトアンジオテンシノーゲン(hAG)遺伝子が導入(Tg)されている.この妊娠高血圧マウスとAPJ受容体遺伝子ノックアウト(APJ-KO)マウスを戻し交配し,APJ-/-/hAG-Tgマウスを作製した。妊娠高血圧は,♂ヒトレニン遺伝子導入(hRN-Tg)マウスとの交配で♀hAG-Tgに発症するので,♀APJ-/-/hAG-Tgマウスと♂hRN-Tgマウスとの交配で,母体側APJシグナルのIUGRへの効果を検討した.その結果,APJ受容体の機能は,新生児重量に関しては最小限であることが判明した.
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