2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659090
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
深水 昭吉 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (60199172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 純治 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 研究員 (30323257)
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Keywords | 子宮内発育遅延 / 7回膜貫通型受容体 / 妊娠高血圧 / 妊娠中毒症 / 周産期死亡率 / 生活習慣病 / 発生分化 / 恒常性維持 |
Research Abstract |
新生児の発育は、出産後の環境に規定されるだけではなく、むしろ出産前の母体内環境に大きく左右される。我々は、母体環境は胎盤を介する胎児との物質交換などの生理的相互作用によって構築されることが予想される事から、妊娠という現象とその病態異常を考察する場合、「母体」→「母胎」という概念への転換が必要であると考えている。そこで我々は、申請者らが世界で初めて開発した『妊娠高血圧モデルマウス』を用いて、平成19年度は以下のことを明らかにした。 (1)母胎環境が病的状態での胎児の発育 妊娠中毒症病態の発症・進展時に焦点を当て、発症前の胎生13日と発症後の胎生16日、および病態進展時の胎生19日目の胎盤に関して、生体の発生分化と病態形成に重要な生理活性物質関連遺伝子や薬物応答遺伝子に関する発現パターンを検証した。その結果、グルコース代謝系遺伝子群の発現変化が観察され、恒常性維持の異変が示唆された。一方、薬物応答遺伝子系には大きな変化は無かった。 (2)胎児発育遅延を生じる受容体シグナル系の同定 hRN-TgマウスとAPJ-KOマウスを戻し交配して作製したAPJ-/-/hRN-Tgマウスを用いて、♂APJ-/-/hRN-Tgマウスを交配し、♀APJ-/-/hAG-Tgマウスにおける胎児(APJ-/-)の発育を検定した。その結果、両者間では大きな差異は観察されなかった。
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