2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳における系統的インプリンティング解析を可能にする片親由来2倍体神経細胞の作製
Project/Area Number |
17659098
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 和美 長崎大学, 先端生命科学研究支援センター, 研究支援推進員 (60398154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木住野 達也 長崎大学, 先端生命科学研究支援センター, 助教授 (70315232)
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Keywords | インプリンティング / 脳 / 神経細胞 |
Research Abstract |
脳におけるインプリンティングの役割を系統的に解析するために、マウス発生工学技術を駆使して片親由来2倍体神経細胞を作製することが我々の最終目標である。平成17年度に修得した基礎的なマウス発生工学技術をもとに、平成18年度は「4倍体初期胚と母親性二倍体初期胚のアグリゲーション法による母親性二倍体細胞の作製」を行った。 母親性二倍体初期胚は胎児成分を構成することができるが、胎盤を形成する事ができず、正常な胎児を産出できない。これを克服するために胎盤成分を構成する細胞として4倍体初期胚を用い、この細胞と母親性二倍体初期胚とでキメラを作ることで、妊娠をE15まで継続させ母親由来2倍体神経細胞を作製することとした。 ICRの正常受精卵の2分割卵を細胞融合法にて1分割卵にして培養し4倍体初期胚とする。この4倍体胚は胎盤を構成するが、胎児を構成することはできない初期胚である。一方母親性二倍体初期胚の作製にはF1ハイブリッドマウス(C57BL6xPWK)の未受精卵をエタノール処理し、卵割をおこさせる。この細胞とICR4倍体初期胚とを用いてアグリゲーション法にてキメラを作り、桑実胚に分化した時点で子宮に戻し、E15で胎児をとりだし、脳の分散培養を行い母親由来2倍体神経細胞を得ようとする実験である。上記実験を試み妊娠が継続されることを確認した。E15の時点で肉眼で胎盤、胎児を確認できたが、胎児は既に死亡しており、E15胎児脳からの神経細胞の培養には至らなかった。 今後さらに条件を検討し、4倍体初期胚と母親性二倍体初期胚の4倍体初期胚と母親性二倍体初期胚のアグリゲーション法による母親由来2倍体神経細胞の回収を目指す予定である。
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