2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファージペプチド解析に基づくクローン病の疾患感受性遺伝子探索
Project/Area Number |
17659099
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
田村 和朗 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20278823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 武平 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90068510)
松本 譽之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10209637)
福田 能啓 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60148640)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 |
Research Abstract |
クローン病は慢性の炎症性腸疾患で、腸管全層を侵し、腸管穿孔、痩孔形成、狭窄など厳しい病態を生じる難治性疾患である。原因は未だ不明であるが、遺伝的要因による腸管局所免疫異常を背景とした多因子遺伝性疾患と認識されている。ペプチドを用いた罹患者の抗体をスクリーニングから候補分子を選定し、原因遺伝子探索を行うことを目的とした。その結果、ATP駆動型トランスポーター「ABC(ATP binding cassette)タンパク質」を候補と考え、患者-対照相関研究を、MDR1、TAP1、TAP2等の遺伝子で多型を基に解析を行った。明らかな関与は認めなかった。サイトカイン関連遺伝子の候補遺伝子群のなか、IL18遺伝子のプロモーター領域に存在する多型(-607C/A、-137G/C)と3種類のハプロタイプはクローン病の易罹患性に直接寄与する結果は得られず、報告者らがすでに2002年に明らかにした同遺伝子コドン35多型(Tamura et al, J Gastroenterol 37:111-116, 2002)の関与とは異なることがわかった(Takagawa T et al, Inflamm.Bowel Dis. 11:1038-1043, 2005)。一方で、-607Aアレルは潰瘍性大腸炎罹患者群と有意な関連があり、特に直腸炎型の罹患者はハプロタイプ2(-60A、-137C)との関連が顕著であり、本遺伝子のプロモーター領域多型は潰瘍性大腸炎の易罹患性やその病変範囲に関連することを示唆する結果を研究期間内に得た。 クローン病の病態に影響を及ぼす因子を明らかにするため、内科的外科的治療を通じて情報を蓄積し、易罹患性遺伝子群をより広範囲にスクリーニングするべく網羅的遺伝子スクリーニングを視野に患者群と健康成人群の末梢白血球由来のRNAを採取し解析を進め、現在誌上発表を準備を行っている。
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Research Products
(6 results)