2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸代謝障害による前立腺癌の増殖抑制効果:創薬への基盤的研究
Project/Area Number |
17659106
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
唐 小燕 東海大学, 医学部, 助手 (20326036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
梅村 しのぶ 東海大学, 医学部, 助教授 (20276794)
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Keywords | 前立腺癌 / 脂肪酸運送タンパク(FABP) / 抗体療法 |
Research Abstract |
本研究の目的 前立腺癌は、高脂肪食人種に高発する悪性腫瘍の一つである。高脂肪食の主成分であるフィタン酸(PA:分枝鎖脂肪酸の一種類)が前立腺癌培養細胞の脂肪酸酸化酵素(AMACR)の蛋白およびmRNAを増加させる研究結果がある。また、脂肪酸を細胞内に運ぶ膜蛋白(細胞内輸送蛋白でもある)の一種類であるFABPが前立腺癌にもover-expressionしている。前立腺癌のFABPは肝臓FABPと近い構造を示すとされ、肝細胞は、抗FABP-抗体によって、Oleate酸の細胞内輸送が抑制されるとの報告がある。われわれは、FABPに対する抗体療法に着目し、前立腺癌細胞の増殖が脂肪酸運送タンパク(FABP)のブロックによって抑制されることを証明し、前立腺癌新しい治療法の開発を本研究の目的とする。 本年度(平成18年度)の研究概要 1.FABP抗体の作成:ヒトL-FABP (Liver-FABP, ACCESSION No.P07148)アミノ酸配列の中で、4ヶ所親水性部分のペプチド(1-15, clone : MSFSGKYQLQSQENF ; 27-38, clone : ELIQKGKDIKGV ; 83-97, clone : VQLEGDNKLVTTFKN ; 117-130, clone : DIVFKRISKRI)を合成した。 2.以上合成した4種類のペプチドを4羽のウサギにそれぞれ免疫した。Boosterを、2週間置きに5回行った。2ヶ月半後に、ウサギ血清中の抗体が上がったことを確認し、4羽ウサギの全血清を採集した。今、それらの抗体(血清)の精製および確認を行っている。 3.培養細胞の準備:LNCaP (Androgen receptor陽性、高分化前立腺癌培養細胞)およびPC-3 (Androgen receptor陰性、未分化前立腺癌培養細胞)、また、コントロールとして、肝細胞癌培養細胞HepG2 (American Type Culture Collection, Manassas, VA)を購入し、培養している。
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