2005 Fiscal Year Annual Research Report
高率に心筋へと分化するヒト間葉系幹細胞の探索と細胞移植後の病理病態学
Project/Area Number |
17659107
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
肥田 直子 国立成育医療センター(研究所), 生殖医療研究部, 共同研究員 (70360112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 国立成育医療センター(研究所), 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
秦 順一 国立成育医療センター, 総長 (90051614)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
我々の施設では、世界に先駆けて骨髄間質多能幹細胞から心筋細胞を分化誘導することに成功し、その後、ヒト間葉系幹細胞から心筋細胞を分化誘導することにも成功している。しかし再生心筋細胞を人体に移植する場合、再生心筋細胞の純度や移植効率など、多くの問題点が存在し、その問題点解決に向けて努力を続けている。特に、元来、体性幹細胞は成体の臓器に広く存在し、高率に心筋へと分化誘導される幹細胞が骨髄以外にも分布している可能性は非常に高いことから、ヒト骨髄間葉系幹細胞の心筋分化技術を用いて、様々な臓器由来のヒト間葉系幹細胞株を樹立し、in vitroにおいて心筋に分化させることに重点を置いた。 本年度は特に次の内容について重点的に研究を進めた。 間葉系幹細胞の単離及び培養 間葉系細胞とは骨、軟骨、脂肪、骨格筋、真皮、靭帯、腱といった結合織細胞を総称しており、発生学的に沿軸中胚葉(paraxial mesoderm)由来の細胞である。間葉系幹細胞は、分化能に応じて階層構造を形成しているものと考えられている。このような間葉系細胞の供給源として、実際に検討が加えられているものは、骨髄、臍帯血、胎盤、月経血、子宮内膜、胎児由来の心筋と線維芽細胞、真皮、脂肪、末梢血と成体の臓器に広く存在しており、それぞれの細胞の分化能については、明らかにされていない点が多い。そこで上記のような成体内のさまざまな臓器由来の間葉系幹細胞を単離し、限界稀釈法によりサブクローニングを行った。 遺伝子導入による細胞寿命延長 ヒトの正常細胞を培養すると、一定回数分裂した後増殖を停止する。そのためヒト細胞の多分化能を研究する際、必要な細胞数を得ることや、再現性を確認することが困難である。そこで、サブクローニングによって得られた各種間葉系幹細胞に細胞寿命の延長に関わる遺伝子を導入、高発現させ、それに伴う細胞の増殖能の増加、寿命の延長を検討した。
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