2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659109
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森松 正美 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70241370)
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Keywords | アトピー / 皮膚炎 / IkappaB |
Research Abstract |
研究代表者らは炎症刺激で誘導される遺伝子をスクリーニングする過程で機能未知の遺伝子を同定し、MAILと命名した。ジーンターゲティングによりこの遺伝子を破壊したマウスを作製したところ、ホモ型欠損マウスの顔面を中心にアトピー性皮膚炎様の病変が認められた。 本研究の第1の目的は、申請者が開発したMAIL破壊マウスを用いてMAILの機能を解析するとともに、これを疾患モデル動物として確立することである。第2の目的は、このモデルマウスの原因遺伝子が、ヒトでもアトピー性皮膚炎と関係があるか否かを探ることである。 1.マウスの交配と維持:研究の途中で北海道大学の大学院医学研究科から遺伝子病制御研究所に拠点を移した。受精卵移植により系統を保存できることが確認されるとともに、微生物学的に清浄なマウスが獲られたことをモニタリングの成績により確認した。 2.病態の解析:皮膚病変部位の組織学的検索を行い、白血球系細胞の細胞浸潤による炎症反応を認めた。正常マウスでのMAILの発現をリアルタイムPCRで検索したところ、表皮ケラチノサイトでの発現を認めた。この結果とは対照的に別のグループはこの分子が皮膚で発現せず、角膜や結膜で発現するとしている。この相違が何により生じているのかは、今後さらに検討する必要がある。 3. MAIL破壊マウスの皮膚組織切片を細胞増殖マーカであるKi-67に対する抗体で染色したところ、破壊マウスは正常マウスに比べて陽性ケラチノサイトが少なかったことより、MAILを破壊することでケラチノサイトの増殖抑制が生じることが明らかになった。 3.ヒトのMAILをクローニングして配列を確認するとともに、オープンリーディングフレームの全長を含むcDNAクローンを得た。
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Research Products
(1 results)