2006 Fiscal Year Annual Research Report
安定なRNA干渉を可能にするステーブル細胞株作製技術の開発
Project/Area Number |
17659111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福重 真一 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90192723)
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Keywords | 発現制御 / 遺伝子 / 部位特異的組換え / Cre / RNA干渉 |
Research Abstract |
本研究ではCre-lox遺伝子挿入系を用い、ゲノム上の特定部位(前もって導入したlox部位)に二本鎖のsiRNAを発現するコンストラクトを正確に単一コピー挿入することによって、確実にRNA干渉をおこなう細胞株の作製を目的とした。 本年度は、Ltk-細胞に単一コピーのlox位を含む細胞株、73-14を用い、マウスRet finger protein (RFP)に対するRNA干渉コンストラクトをCre-lox遺伝子挿入系により導入したステーブル細胞株を作製し、その効果を解析した。まず、73-14にRFPのRNA干渉コンストラクトを含むloxターゲティングベクターとCre発現プラスミドをトランスフェクションし、G418での薬剤選択により14個の組換え体を得た。これらの組換え体からゲノムDNAを抽出し、種々のPCRで組換え部位、RNA干渉コンストラクトの存在を確認した。次に、ネオマイシン耐性遺伝子をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションをおこない、14クローンすべてがゲノム中のlox部位に正確にRFPのRNA干渉コンストラクトをもつことを確認した。さらに、ターゲティングベクター中のCMVプロモーターをプローブとしサザンハイブリダイゼーションをおこない、14クローン中、11クローンが単一コピーの組換え体であり、残り3クローンは2コピー以上の組換え体であることが判明した。 ウエスタンブロティング法により14クローンのRFP干渉による蛋白レベルでの変化を解析した結果、どのクローンでも親株に比べ約50%のノックダウンが観察された。興味深いことにRNA干渉コンストラクトを2コピー以上もつ3個の組換え体でも単一コピーをもつ残り11個の組換え体とノックダウン率に大きな違いが見出せなかった。このことは、コピー数よりもRNA干渉を引き起こすshRNAの塩基配列を変える方がより効果的にRNA干渉をおこなえる可能性を示すと考えられる。
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