2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規Akt基質タンパク質の細胞運動・形態形成における機能の解明
Project/Area Number |
17659113
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 雅英 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40183446)
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Keywords | Akt / キナーゼ / Girdin / アクチン結合蛋白 / アクチンストレスファイバー / 細胞運動 / siRNA |
Research Abstract |
yeast two hybrid法を用いてAkt結合蛋白質の同定を行った結果、AktのC末端領域と結合するクローンを同定し、全長cDNAのクローニングに成功した。全長cDNAは1870アミノ酸よりなる蛋白をコードしており、その配列中には既知の機能ドメインはなく、全く新規の分子であり、ノーザンブロット法によりどの臓器にもubiquitousに発現していることが判明した。C末端領域にAktによってリン酸化されるコンセンサス配列が存在し、in vitro kinase assayでAktによってリン酸化されることから、Aktの新規基質である可能性が示唆された。作製した抗体で細胞内局在を検討したところ、アクチン細胞骨格系と共局在すると同時に、特に移動する細胞の先端部で活性化Aktと共局在し、細胞の移動、接着あるいは浸潤を制御している可能性が示唆された。生化学的解析より、アクチン線維を架橋する性質を有しており、遺伝子の名前をGirdin (Girders of actin filaments)と名づけた。 Girdinの配列特異的なsiRNA (small interfering RNA)を合成し、細胞に導入した結果、アクチンストレスファイバーとfocal adhesionの形成の著しい減少を引き起こした。さらにfibronectinの産生量も優位に減少した。このような効果はコントロールのsiRNAでは観察されず、Girdin siRNAに特異的であった。またGirdin siRNA存在下で細胞運動能を著しく低下させることが、Boyden chamberを用いたmigrartion assayにて明らかになった。以上の結果より、GirdinはAktの基質として細胞運動に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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