2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生ペプチドSVVYGLRの作用メカニズムの解析
Project/Area Number |
17659115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70224748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 吉之輔 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10362683)
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
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Keywords | 病理学 / 再生医学 |
Research Abstract |
オステオポンチンに含まれるペプチドフラグメントSVVYGLRに着目し、この機能ペプチドの合成と血管新生作用のメカニズムの解明のためにTRLEC細胞(ラット肺血管内皮細胞)を用いin vitroにおいて血管内皮細胞の接着能、運動能、増殖能、管腔形成能に対する機能ペプチドSVVYGLRの作用について検討を行った。 1.Fmoc化学による高効率固相法にて合成し、得られたペプチドは液体クロマトグラフにて計測したところ、単一成分であることが確認できた。この液体クロマトグラフでの単一ピーク成分を質量分析計で計測したところ、SVVYGLRの質量理論値と一致した。よって高純度のペプチドの合成が確認された。 2.細胞接着能実験では濃度0.02〜2μg/mlのSVVYGLRで対照に比べて有意に高い接着能を示し(p<0.05)、かつペプチド濃度による接着性の差は見られなかった。また細胞運動能実験においては0.02μg/mlの濃度のSVVYGLRが、0.2μg/ml、2μg/ml濃度のSVVYGLRおよび対照と比較して有意に高い細胞運動能を示した(p<0.05)。SVVYGLRペプチドの存在は細胞増殖能に影響を及ぼさず、細胞接着能、細胞運動能に影響を及ぼすことが明らかになった。 3.細胞増殖能実験では、ペプチドの有無、濃度に影響されず、いずれも同程度の増殖が見られた。 4.ペプチドを添加したコラーゲンを用いた3次元培養を行ったTRLEC細胞を光学および電子顕微鏡で観察した結果、管腔形成能を確認した。
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