2005 Fiscal Year Annual Research Report
病原微生物が発現する宿主細胞認識分子のハイスループットな同定法の開発
Project/Area Number |
17659121
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坪井 敬文 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (00188616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹尾 暁 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 講師 (40302666)
入子 英幸 愛媛大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 講師(研究機関研究員) (60346674)
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Keywords | マラリア / 微生物 / 感染症 / 無細胞タンパク質合成 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
近年、多くの病原微生物のゲノム塩基配列が決定されているが、タンパク質の機能に関しては未だに得られる情報は少ない。核酸代謝・アミノ酸代謝といった生命現象に普遍的な分子は、生物全般で保存されており解析も比較的容易であるが、病原微生物の病原性に関与する分子、中でも感染の成立時に働く宿主細胞認識分子は病原微生物に固有のものが多く、ワクチンや創薬の標的であるにもかかわらず研究が遅れている。そこで我々は、病原微生物の宿主細胞認識分子をゲノムワイドに同定する手法の開発を目的として本研究を開始した。先ず、複雑な生活環を持ち多くの宿主細胞認識分子を持つと考えられる熱帯熱マラリア原虫の遺伝子約400個をモデルとして選択した。それらを原虫からRT-PCR法により増幅し、得られたcDNAをTAベクターにクローニングした。次に、原虫タンパク質を緑色蛍光タンパク(GFP)との融合タンパク質として発現させるよう2ステップPCR法(Sawasaki et al.,2002)を改変し、上記で得られたプラスミドのcDNA挿入部位の上流に、プロモーター、翻訳エンハンサー及びGFP遺伝子配列を付加して転写用鋳型を作成した。次に全自動タンパク質合成ロボットを用いて、試験管内転写及びコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系により、各種のGFP融合タンパク質を発現した。その結果、約70%の組換えタンパク質の発現に成功した。したがって、病原体のゲノムワイドにGFP融合タンパク質をハイスループットに作製することができ、一分子蛍光分析システムを応用した、レセプター・リガンドの同定が可能と考えられた。
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