2005 Fiscal Year Annual Research Report
H.pylori由来酸性ホスファターゼの宿主応答制御機序の解析
Project/Area Number |
17659126
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
八尋 錦之助 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80345024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛永 直子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20092108)
野田 公俊 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60164703)
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Keywords | 細菌 / シグナル伝達 / 好中球 / 走化性 / 活性酸素 |
Research Abstract |
本研究において使用したヘリコバクター・ピロリ菌の外膜蛋白質由来の酸性ホスファターゼ(HppA)は、大腸菌によりHppA wild type及びmutantsを発現ベクターのC末端側にHis、cMycタグ付加させ発現させた。この蛋白質を精製はNiカラムとAnti-cMyc抗体カラムにより精製した。活性酸素産生に及ぼす効果はルミノメーターを使用し、種々の刺激による好中球からの活性酸素の産生能を評価する。また、活性酸素産生および走化性に関与するシグナル伝達系へのHppAの影響を調べた。更に、走化性、貪食能に対する影響も調べた。 ヒト好中球における活性酸素産生に及ぼすHppAの影響を調べたところ、PMA, fMLP,ザイモザン刺激による活性酸素産生に対して、他の菌種の酸性ホスファターゼでみられる抑制効果は認められなかった。 また、胃癌細胞由来の培養細胞に対して添加したが、形態学的な変化は認められなかった。更に、サブストラクション法によりHppAにより発現誘導あるいは抑制される遺伝子の検索を行ったが、顕著な遺伝子は確認出来なかった。 次に、好中球の走化性に対するHppAの効果を調べた。好中球にHppA wtを作用させたところ、走化性に重要な働きをする細胞表面受容体CXCR1のmRNAの発現量が低下していることを見いだした。ホスファターゼ活性を持たない変異体を作用させた場合にはこの抑制効果は認められないことから、HppAのホスファターゼ活性がこの抑制効果に重要な働きをしていると推察された。次いで、HppAを作用させたヒト好中球の細胞表面のCXCR1が蛋白レベルで減少しているのか、FACScanを用い解析を行った。結果、コントロールの細胞のみを一定時間処理しただけで、CXCR1の発現量の減少が見られ、HppA wtで処理した細胞におけるCXCR1の減少と有意差を認めなかった。
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Research Products
(1 results)