2006 Fiscal Year Annual Research Report
IL-7レセプターを指標としたB細胞記憶形成機構の解明
Project/Area Number |
17659141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生田 宏一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90193177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真木 一茂 京都大学, ウイルス研究所, 講師 (10311424)
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Keywords | インターロイキン / IL-7 / IL-7レセプター / B細胞 / グルココルチコイド / 転写 |
Research Abstract |
インターロイキン7レセプター(IL-7R)は、リンパ球前駆細胞の増殖・分化や成熟T細胞の維持(ホメオスターシス)を介して免疫システムの形成と維持に重要な働きをしている。このユニークなサブユニットであるIL-7Ra鎖は、末梢T細胞で発現しているが、特に記憶T細胞の初期段階において高レベルで発現し、その維持に重要な働きをしている。一方、末梢B細胞ではIL-7Ra鎖が発現していないために、今までその機能については注目されていなかった。一方、末梢T細胞では、グルココルチコイド刺激により、IL-7Ra鎖遺伝子の転写が増強し、細胞表面でのIL-7Rの発現が増加する。そこで、末梢B細胞における、グルココルチコイド刺激によるIL-7Ra鎖の誘導を解析した。 まず、脾臓B細胞を磁気ビーズで単離し、グルココルチコイド存在下で培養すると、6時間後には細胞表面でのIL-7Ra鎖の発現が検出され、12時間後にはピークになった。さらに、IL-7Ra鎖のmRNAレベルを定量的RT-PCRにより解析すると、2時間後には誘導が検出され、6時間後にはピークになった。さらに、誘導されたIL-7Rから生存シグナルが入るかどうか確認するために、B細胞をグルココルチコイドとIL-7で刺激すると、グルココルチコイド単独と比べて生存率が上昇することがわかった。また、この時シグナル分子Stat5がリン酸化され、標的遺伝子であるCis-1の転写が誘導された。 以上の結果から、末梢B細胞においても、グルココルチコイド刺激によりIL-7Ra鎖遺伝子の転写が活性化され、機能的なIL-7Rの発現が誘導されることが明らかとなった。 生体内においても末梢B細胞がIL-7Rを再発現し、生存シグナルを受け取る可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)