2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロイメージングによる職業性ストレス理論モデルの脳内機序の解明
Project/Area Number |
17659176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川上 憲人 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90177650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 空美 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50324299)
大平 英樹 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (90221837)
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Keywords | ストレス / ニューロイメージング / fMRI / コントロール可能性 / 実験心理学 / 前頭前野 / 光トポグラフィー |
Research Abstract |
平成18年度は、PETを使用した実験的研究によるコントロール可能性の記憶部位の探索と、光トポグラフィー(NIRS)を使用した確率学習課題によるコントロール可能性可能性の操作に対する脳機能の解明を行った。 1. PETを使用した確率学習課題による実験により、コントロール可能性の責任部位を同定し、これらの部位と生理的ストレス反応指標との間の相関を確認した。内側前頭前野(BA32)他の部位が、コントロール可能性が低いとの認知と関連しており、またこの部位の活動が血圧・心拍・免疫・心理反応などのストレス反応と正の相関をしていた。 2.光トポグラフィーを用いた研究について日立基礎研究所と共同研究契約を締結し、光トポグラフィー測定系に、確率学習課題による心理学的実験システムの組み込みを行い、光トポグラフィーを用いた職業性ストレス理論モデルの脳内機序の解明のための汎用実験系を確立した。 3.本研究の解析方法について、国際行動医学会(タイ)の場を利用して、関連する専門家から助言を受けるとともに、研究成果の一部を発表した。 以上から、コントロール可能性の記憶担当部位が前頭前野内側にあることがほぼ明らかとなり、この部位の機能が仕事の要求度や急性ストレスに対する血圧・心拍・免疫・心理反応を修飾していることが示された。職業性ストレスモデルである要求度-コントロールモデルの神経基盤を明確にし、また光トポグラフィーを用いた汎用実験系を確立し、今後の本領域の研究の進展に寄与した。
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Research Products
(2 results)