2005 Fiscal Year Annual Research Report
微量金属の高精度分析法の開発:元素選択捕捉機能をもった樹脂の応用展開
Project/Area Number |
17659178
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
圓藤 吟史 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20160393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 嘉則 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (90382225)
山中 健三 日本大学, 薬学部生物薬学科, 助教授 (50182572)
圓藤 陽子 三重大学, 医学部, 非常勤講師 (50193438)
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Keywords | 微量元素分析 / アルカリ金属 / アルカリ土類金属 / 遷移金属 / 機能性樹脂 / 生体分析 / 食品分析 / 有機金属 |
Research Abstract |
尿中および海水中の微量金属は共存する大量のアルカリ・アルカリ土類元素により、フレームレス原子吸光法(NF-AAS)による直接測定は困難であり、灰化後APDC-MIBKまたはDDTC-MIBK抽出してから測定していた。そのため、生体試料中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属による微量元素高精度分析の際の妨害を受けない、簡便かつ高い精度が期待される生体微量金属分析法の開発が強く望まれている。 今回、・ポリアミノポリカルボン酸(PAPC)型キレート樹脂固相抽出剤で元素選択捕捉機能をもった日立ハイテク製NOBIAS Chelate PA-1を用いることにより、鉛、カドミウムなどはpH4-7の範囲でほぼ100%捕捉された。尿中に数千から数百mg/L共存するナトリウム、カリウム、カルシウムは抽出液中が尿中の1万分の1未満の濃度となりほぼ完全に除去され、目的元素の測定に影響を与えないことが明らかとなった。その結果、前処理をNOBIAS Chelate PA-1で固相抽出するだけに簡便化し、NF-AASで尿中鉛、カドミウム、インジウム、ビスマスを精度よく測定することが可能になった。鉛取り扱い作業者において40μg/Lを添加し92.5から108.8%の回収率を得た。 また、NOBIAS Chelate PA-1は従来から利用されているイミノ二酢酸型キレートと比較して、アルカリ・アルカリ土類元素の除去能力に優れていることが明らかになった。海水中のマンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、カドミウム、鉛、ウランを誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP/MS)、マイクロ波誘導プラズマ質量分析計(MIP-MS)、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)、NF-AASで測定したところ認証値と一致し、精度良く測定することができた。
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