2005 Fiscal Year Annual Research Report
要介護痴呆の新しいリスクファクターに関する地域コホート研究
Project/Area Number |
17659183
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 良匡 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (20375504)
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Keywords | 痴呆 / リスクファクター / 喫煙 / コホート研究 |
Research Abstract |
本研究は、要介護の主要原因疾患である痴呆の発症要因を、地域コホート研究(nested case-control study)により分析し、痴呆の予防・介護予防につながる要因の検出を行うことを目的とする。発症要因としては、生活習慣(喫煙、アルコール、魚の摂取等)、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧、心電図・眼底所見による動脈硬化性臓器変化に加え、痴呆の危険因子である可能性が最近の基礎・臨床研究で指摘されている血清中のホモシステイン、高感度C反応性蛋白(hs-CRP)の痴呆への関与を定量的に分析する。対象は、茨城県K町(人口1.7万人)の1984年から1999年の循環器健診受診者(年間約3,500名)の中から、2000年4月から2006年9月までに介護保険認定を受けたあるいは今後受けると予想される65歳以上住民男女約660人である。介護保険認定データ(主治医意見書、認定調査票)を連結可能匿名化し、コンピュータに入力する。介護認定された痴呆者(痴呆の日常生活自立度がIIb度以上)をEndpointとして、その時点で介護認定されていない生存者を対照として、健診受診者の中から、性、年齢(±2歳)、健診受診年を1:2でマッチさせて無作為に選び出す。そして、過去の健診所見を、痴呆と対照との間で比較する。また、-80℃で凍結保存している血清を用いてホモシステイン、hs-CRPの濃度を測定し、痴呆と対照との間で比較する。 平成17年度には、2004年3月までの介護保険認定者約450人中、痴呆患者208人について、対照416人と合わせて解析を行った。その結果、痴呆患者と対照者との間に、年齢、高血圧の有病率、糖代謝異常・糖尿病の有病率、心房細動の有病率、血清総コレステロールの平均値は有意差が認められなかったが、喫煙率は患者23%、対照16%と患者群が高かった。喫煙区分別に患者のオッズ比とを算出したところnever smokerに対しcurrent smokerは3.0で有意な関連がみられた。次年度は追跡者数を増やして、hs-CRP、ホモシステインとの関連も含めて、さらに解析を進める計画である。
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Research Products
(1 results)