2005 Fiscal Year Annual Research Report
予測的交感神経活動を指標としたアルツハイマー型痴呆高齢者の生活行動の質の評価
Project/Area Number |
17659187
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
中村 貴志 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (70292505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 悦夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (10155004)
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Keywords | アルツハイマー病 / 生活の質 / 予測的交感神経活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アルツハイマー型認知症高齢者の日常生活における心電図と歩行を中心とした生活行動を無拘束状態で測定し、意図的行動の直前の安静時に観察される予測的交感神経活動を指標として、生活行動の質の評価法を開発することである。そのために、本年度は以下の研究を実施した。携帯型心電計による予測的交感神経活動の測定:実験的場面設定において、健常高齢者10名及びアルツハイマー型認知症高齢者32名を対象に、意図的行動の直前の安静時に生起すると考えられる予測的交感神経活動を測定し、その生起頻度の確率と周波数解析プログラムの改善点について検討した。その結果、健常高齢者と比較してアルツハイマー型認知症高齢者は、予測的交感神経活動の生気頻度が有意に低かった。また、認知機能障害の程度と予測的交感神経活動との間に有意な関連があり、認知症が重度な対象者ほど予測的交感神経活動が低いレベルにあった。次に本研究に適した周波数解析プログラムを構成するために、5分間隔、2分間隔及び20秒間隔で各々サンプリングした場合のRR間隔、高周波成分、低周波成分を抽出し、行動レベルとの関連について検討した。その結果、日常生活における生活行動と自律神経活動との関連を分析するためには、20秒間隔でのサンプリングに基づく周波数解析が最も適していると判断した。携帯型心電計と無拘束行動計測装置による同時測定データの妥当性・信頼性の検討:デイケアとグループホームで活動中の介護スタッフ5名と認知症高齢者5名を対象に、携帯型心電計と無拘束行動計測装置による6時間と24時間における同時測定を実施した。その結果、無拘束行動計測装置により測定した加速度波形から識別した行動量・パターンは、行動観察によって得られた結果とほぼ一致した。また、携帯型心電計と無拘束行動計測装置を同時に用いて測定した波形データを時間的に同期して解析することが可能であった。
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