Research Abstract |
日常生活動作に伴う軽度尿失禁を主訴とする腹圧性尿失禁女性12名(61.3歳±6.9)の骨盤底筋群表面筋電図(sEMG)を対象としたバイオフィードバックトレーニング(BFT)を行った.被験者に,8秒周期の矩形波教師信号と同一画面上に重ねあわせた自身のsEMG積分波形を参照させ,教師信号にsEMG積分波形を追従させる様に間欠的筋持続収縮運動を行わせた.5周期の筋持続収縮運動とその後45秒間弛緩休止を1セットとし,5セットのトレーニングを繰り返し,この間のsEMGを記録,骨盤底筋群の筋活動パフォーマンス(MAP)を評価した.(我々は,排尿障害の診断に利用可能と考えられる数理アルゴリズム・指標を構築し[1],予備実験として大腿四頭筋群を対象にMAP評価を行った.このデータを基に,我々の構築した数理アルゴリズム・指標の安定性を示した[2].).ここでは,1セット目におけるsEMGはトレーニング未習熟期として解析の対象外とした.2セット目および5セット目を,それぞれBFT前・後として,そこで記録したsEMGに上述した数理アルゴリズムを適用した.1周期区間における積分波形の平均値を越えた初めての極大値からその平均値を下回る直前の極大値までの全ての極大値を抽出する.これらに指数減衰曲線を回帰させ,その時定数βを算出した.β値が低いほどsEMGの積分波形は教師信号(矩形波)により追従していると考えた.その結果,時定数βはBFT前・後でそれぞれ0.0104±0.0010,0.0078±0.0002(平均±標準偏差)となった[3].これらの平均値には有意差があり(p<0.01),BFTによって搬Pは改善したと考えられた.更に,5セット目で採取したsEMGをもとに,その数理アルゴリズムの安定性を検討し,良好な結果を得た[4].(以上計765字) [1]塩沢友規他:表面筋電図を用いた筋パフォーマンス評価,第47回日本人間工学会大会,大阪市,2006.6.9. [2]高田宗樹他:大腿直筋筋電図の数理解析とその経年変化,第47回日本人間工学会大会,大阪市,2006.6.9. [3]Shiozawa T, and et al.: Quantitative evaluation of biofeedback training for stress urinary incontinence by using surface ctromyography, The 17th Korea-Japan-China Joint Conference on Occupational Health, May 26, 2006, Jeju Island, Korea ; Shiozawa T, and et al.: Evaluation of effect of biofeedback training for prevention against stress urinary incontinence using mathematical index of surface electromyography, 28th International Congress of Clinical Neurophysiology September 2006, Edinburgh, U.K. [4]Takada H, and et al.: Quantitative Evaluation of Stability in surface Electromyography for Perineal Muscle during Biofeedback Training,28th International Congress of Clinical Neurophysiology September 11,2006,Edinburgh, U.K.
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