2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659195
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助手 (40139788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
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Keywords | 年齢推定 / プロテオーム / 老化 |
Research Abstract |
1.研究経過 血液、体液などの法医学的試料から、その試料の由来する個人の年齢を推定する方法は、国内外においてほとんど確立されていない。そこで、ヒト尿のプロテオーム解析により年齢依存性発現分子を検索した結果、若年者(0-17才)の尿中に3本1組のバンド(Y1-Y3)として検出される糖タンパク質Ugl-Yを見い出した。さらに、構造解析により、Ugl-Yはfibronectin (FN)の一部であることが明らかにした。 2.研究内容および方法 (1)血清からのUgl-Yの検出-Ugl-Yが血清由来かあるいは腎や尿路由来かを決定するために、小児血清からのUgl-Yの検出を試みた。小児尿および小児血清を、疎水性やイオン交換などのカラムクロマトグラフィーによって同じ条件で分画し、小児尿由来Ugl-Yが溶出される分画と同じ分画に血清由来Ugl-Yが存在するか否かを抗fibronectin抗体を用いた免疫プロット法により調べた。 (2)破骨細胞抽出液によるFNの分解-尿中のコラーゲン架橋成分は骨吸収マーカーとして用いられているが、Ugl-Yと非常によく似た年齢依存性パターンをとることが報告されている。そこで、Ugl-Yが骨に由来する可能性を探るため破骨細胞抽出液を用いてFN分子を分解し、Ugl-Yが産生されるか否かを免疫プロット法により調べた。 2.結果および考察 小児血清からのUgl-Yの検出を試みた結果、Ugl-Yは血清由来であることが明らかとなった。また、酸性条件下で破骨細胞抽出液によるFNの分解を行ったところUgl-Yに相当するバンドが産生されることが示された。これらの結果から、Ugl-Yは骨代謝が旺盛な成長期に、骨を構成するFNが骨吸収により分解された結果生じたものである可能性が示唆された。
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