Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
高瀬 泉 滋賀医科大学, 臨床法医学的手法, 助手 (30351406)
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Research Abstract |
大阪府などからの委嘱により被虐待児童の診察・損傷鑑定を継続,滋賀県と滋賀医科大学の契約締結を準備,19年度から,滋賀県内でも,共同研究者による被虐待児童の診察,鑑定を実施できることとなった.MR画像検査研究では,(1)学生ボランティアによる頭部撮影を行い,脳底部の血管、すなわち動脈輪(Willis輪)の描出が可能で,解剖検査前にMR検査実行が可能であれば,有効な情報入手手段となることを確認した.また,(2)7テスラMR装置を用い,フォルマリン固定成人大脳の数ミリメートル厚でのスライス撮影を実施,大脳の立体構築を試みた.得られたデターを処理することで,ヒト成人大脳の立体像は作成可能であった.今後遭遇するであろう症例において,詳細な脳実質内部の観察・検査が可能であると判断された.ただ,用いた試料の固定がフォルマリンであったため,且っ,固定・保存期間が長かったため,詳細な構造解析は幾分困難であった.パラフォルムアルデヒド固定資料では比較的良好な結果が得られている.実務面からの検討では,(3)新生児期の低ビタミンK症例や血友病症例で揺すぶられ子症候群類似の硬膜下出血が見られることを経験し,講演その他で,病的な硬膜下出血例では,CT像で丸い形態の陰影像として描出され,鑑別が必要であることを報告・啓発した.6月に横浜で開催された国際SIDS学会と9月にロンドンで開催された国際児童虐待防止会議に出席し,情報交換を行うと共に,SIDSと診断されてきた症例に被虐待事例が含まれ,SIDSの診断には慎重であるべきことを報告した.
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