2005 Fiscal Year Annual Research Report
各種アルコール濫用マーカーによるアルコールのトキシコキネティクス・ゲノミクス解析
Project/Area Number |
17659198
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松本 博志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60263092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今林 貴代美 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50419660)
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Keywords | アルコール / 濫用 / マーカー / 5-hydroxytryptophol / ALDH / ADH |
Research Abstract |
アルコール濫用マーカーのうち、5-hydroxytryptophol(5-HTOL)および5-hydroxyindole-3-acetic acid(5-HIAA)について検討を行った。5-HTOLおよび5-HIAAについては、HPLCを用いた検出法を検討した。5-HTOLについてはポストカラム法で蛍光誘導体化して蛍光検出器で検出し、5-HIAAについては電気化学検出器で検出する方法を考案した。いずれも感度は極めてよく、文献上報告されている以上の感度をもって検出できることを確認した。 さらに、肝ホモジネートを用いたin vitroの検討では、5-hydroxytryptophanの代謝物である5-hydroxyindole-3-alcohol(5-HIAL)から、それぞれalcohol dehydrogenase(ADH)およびaldehyde dehydrogenase(ALDH)によって、5-HTOLと5-HIAAが産生されることを確認し、その際、5-HTOLの産生にはNADHを、5-HIAAにはNADを必要とることが示された。このホモジネートにEthanolを付加すると5-HTOLの産生増大と5-HIAAの産生低下が認められ、結果として5-HTOL/5-HIAAの値が上昇することが認められた。この5-HTOL/5-HIAA比は急性期におけるアルコール飲用マーカーと考えることができることを確認した。また、ALDHの活性の違いでこの産生と比が変動することを見いだし、ALDH2酵素多型への考慮が必要であることが示唆された。
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