2005 Fiscal Year Annual Research Report
HBV遺伝子導入マウスでの酵素阻害剤誘発変異の解析とテーラーメイド医療への応用
Project/Area Number |
17659214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70335355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 直樹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30362700)
巽 智秀 大阪大学, 医学系研究科, 特任助手(常勤) (20397699)
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Keywords | HBV / IFN / 肝臓 / 遺伝子導入 / マウス / B型肝炎 / 抗ウイルス治療 |
Research Abstract |
非トランスジェニック型HBV増殖モデルを用いて非特異的抗ウイルス剤であるインターフェロンアルファ(IFNα)の抗HBV効果を検討した。6週齢のメスのヌードマウスに増殖可能HBV遺伝子(pHBV1.5)を容量負荷のもと尾静脈より注入した。HBV CCC DNA依存的HBV産生が成立する2ヶ月目以降にマウスを2群にわけ、モックプラスミドあるいはIFNa1発現プラスミドを静注する群に振り分けた。プラスミド投与後のHBs抗原血症、ウイルス血症の動態を経時的血清サンプルを用いて解析した。IFNa1遺伝子静注群では2log_<10>以上のウイルス量の低下がみられたが、モックプラスミド静注群ではウイルス量の低下はみられなかった。HBs抗原に関してはIFNa1遺伝子静注後に抗原量の変化は認められなかった。プラスミド投与後経時的にマウスを犠死させ、摘出した肝臓を用いて行ったノザン解析では、IFNa1遺伝子投与群とモック投与群でHBV関連RNAの発現に差がみられなかった。以上より、非トランスジェニック型HBV産生マウスにIFN治療を行うことにより、ウイルス産生量の著明な低下がみられたが、遺伝子発現の抑制はみられなかった。このことはインターフェロン治療によってもHBV CCC DNA量の低下が得られないことを示唆しており、IFN遺伝子の発現の終焉後にはウイルスの再増殖がおこることがマウスモデルにおいて確認された。以上の成果はこのマウスが抗HBV剤の効果の評価に有用であることを示唆しており、今後特異的抗ウイルス剤であるヌクレオチドあるいはヌクレオシド剤を用いた検討を行っていくうえで有用性があると考えられた。
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