2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17659222
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山本 光勝 産業医科大学, 医学部, 助手 (10341497)
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Keywords | 膵外分泌 / ペースメーカー機構 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は慢性膵炎で発現している炎症性サイトカインが膵外分泌能及び消化管運動能に及ぶす影響を検討することである。 以下に本年度に得られた主な研究実績を示す。 1.我々が開発したラット慢性膵炎モデル(Yamanmoto M et al. Am J Physiol Gastrointest Liver Phnysiol.2006)では、正常対照ラットと比較して膵臓にTNFα遺伝子の発現が有意に尤進していた。 2.同慢性膵炎実験モデルの消化管運動能を放射線非透過マーカー法にて検討した結果、正常対照ラットと比較して有意に消化管運動能の低下を認めた。 3.現在汎用されている慢性膵炎モデル動物であるWistar-Bonn/Koboriラットでは膵炎の進行と共に膵臓でTNFα遺伝子の発現が亢進しており、また慢性膵炎が生じた週齢では消化管運動の低下を認めた。 4.正常ラットの迷走神経上行路をcapsaicinによって遮断して酵管内圧を加えると、迷走神経上行路を遮断しないラットよりも膵臓の線維化は著しく進行し、また消化管運動も有意に低下していた。 以上の結果から、慢性膵炎によって発現が充進したTNFα等の炎症性サイトカインが消化管運動の低下に関与していることが示唆される。また迷走神経支配は膵線維化の進行や消化管運動能低下に対し防御機構としての役割を担っていることが考えられる。現在膵臓にTNFα遺伝子をover expressionさせたマウスを作成中であり、作成でき次第睦外分泌能や消化管運動能について研究を進める予定である。
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