2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元CTによる気腫・気道病変の評価と慢性閉塞性肺疾患病態解析への応用
Project/Area Number |
17659242
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 正治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00208224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南須原 康行 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (30322811)
小野寺 裕也 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (10272064)
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Keywords | COPD / 慢性閉塞性肺疾患 / CT / 3次元 / 気道病変 / 気流制限 / 画像解析 / 閉塞性換気障害 |
Research Abstract |
今年度は、独自に開発した3次元画像解析プログラムを用い、COPD患者における気道病変の程度と呼吸機能検査の関係についての検討を行った。まず、プラスチック製のファントムを作成し、それを用いて画像解析プログラムの測定制度を確認したところ、内径2mm、壁厚1mmのストロー型およびS字型のファントムについては、ほぼ正確に測定できることが確認された。しかし、内径1.5mmのストロー型については、誤差が大きいことが判明した。以上より、このプログラムは曲線を描く実際の気道解析に対応し、内径2mmを測定限界と考えた。次に、52名のCOPD患者(病期、stageI:14名、stageII:22名、stageIII:14名、stageIV:2名)を対象として、気道の評価を行った。対象とした気管支は、右肺尖枝のB1と右前肺底枝のB8で、それぞれ3次分岐から6次分岐までの気道内腔面積(Ai)と気道の外周で囲まれた気道の総断面積に対する気道壁の割合(WA%)を測定した。最も細い6次分岐の気道内径は、B1、B8ともに2.3±0.6mmであった。呼吸機能検査のパラメーターとしては、対標準1秒量、1秒率、努力性肺活量、拡散能、全肺気量、機能的残気量、残気量、残気率を用いた。B1の一部を除いて、Ai、WA%とも、対標準1秒量と有意な相関を示した(WA%は逆相関)。さらに、Ai、WA%とも、末梢の気管支ほど相関係数が大きかった。気道病変と他の呼吸機能検査パラメーターとの関係においては、閉塞性障害の指標である、1秒率、残気量などは対標準1秒量と同様であったが、拡散能などの他の指標との相関は全く認められなかった。これらの結果は、COPDにおいて従来よりいわれている閉塞性障害における末梢気道の重要性を初めてCT画像を用いて3次元解析によって示したものである。
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