2005 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングマスによる肺癌及び特発性肺線維症の発症・進展の分子機構に関する検討
Project/Area Number |
17659244
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳澤 聖 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20372112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 秀太 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 研究機関研究員 (10372111)
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Keywords | プロテオミクス / バイオインフォマティクス / 質量分析器 / 発現プロファイリング / バイオマーカー / イメージング / ヒト肺癌 / 難治性呼吸器疾患 |
Research Abstract |
近年、様々な疾患の複雑な病態を解明する目的で、プロテオミクス解析において重要な役割を担う質量分析器(Mass Spectrometry ; MS)を応用した蛋白発現解析が遂行され、疾患と関連性の認められる新規バイオマーカーの発見等、一定の成果が報告されてきている。然しながら、その解析はいまだ黎明期にあり、感度・精度の向上、解析の全自動化を含めたソフトウェアの充実等、多数の課題が存在する事も事実である。本研究では、MSをさらに応用したImaging MS解析を行い、組織全体にわたる網羅的蛋白発現プロファイルを取得し、細胞レベルでの発現分子の可視化を行い、バイオインフォマティクス手法により臨床病理情報との比較検討を行う事で、組織内及び組織間多様性を理解し、ヒト肺癌及び難治性呼吸器疾患の発症・進展の分子機序を探索・解明する事を目的としている。 今年度は、Imaging MS解析を遂行し、ヒト組織全体から高精度な蛋白発現プロファイルを得るために必要な、機器・試料調整の条件設定を行った。具体的には、均一な凍結薄切組織試料の調整法、試料表面へのレーザー吸収性低分子化合物の均一塗布法、微細領域からSN比・解像度の高いスペクトラデータを得るための機器設定である。 さらには、スペクトラデータの処理方法・スペクトラデータ間の定量的比較アルゴリズムの改良を進めた。具体的には、ヒト肺不死化細胞株4株を用い、それぞれ独立した3-20実験において、各実験に際して個別に調整された試料によるQuality Control解析を行った。検討の結果得られたスペクトラデータを用いて、実験間・試料間の誤差等をパラメトリック手法(t検定)およびノンパラメトリック手法(u検定、SAM)を行いて多角的に検定し、その結果を十分考慮した有用性・妥当性の高い総合的解析アルゴリズムの開発を現在進めている。
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