2005 Fiscal Year Annual Research Report
GFPマウスによる細胞移入系を用いたループス病変発症機序の解析
Project/Area Number |
17659258
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
能勢 真人 愛媛大学, 医学部, 教授 (70030913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 浩章 愛媛大学, 医学部, 助手 (30372725)
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Keywords | ループス / 糸球体腎炎 / 血管炎 / 細胞移入 / GFP / MRL / gldマウス / Fas ligand |
Research Abstract |
Fas欠損マウスMRL/Mp-lpr/lpr(Fas^<lpr>)(MRL/lpr)マウスは、様々なループス病変を自然発症するが、このマウスの細胞移入により正常マウスにループス病変を再現することはできず、このマウスでは狭義の自己免疫病の定義を証明することはできない。申請者等は、以前Fas ligand変異遺伝子(FasL^<gld>)のコンジェニックマウスMRL/MpTn-gld/gld(MRL/gld)マウスを樹立し、このマウスが、MRL/lprマウスと同様の糸球体腎炎、血管炎、関節炎、唾液炎をはじめとするループス病変を自然発症することを見いだし、さらに、このMRL/gldマウスの骨髄細胞、脾細胞を正常マウスMRL/Mp-+/+(MRL/+)に移入することにより、少なくとも腎炎、血管炎を発現させることにはじめて成功した(Arthritis Rheum,1997、Pathol Int,2003)。本研究では、この細胞移入によるループス病変の移入実験のメリットを生かし、ループス病変の細胞学的発症機序を形態学的に解析する目的で、ドナーとなるMRL/gldマウスにgreen fluorescent protein(GFP)遺伝子を導入したMRL/gld-GFPマウスを樹立した。今年度は、まず、このマウスでのGFP発現細胞を形態学的に解析するために、新たに組織固定法を確立た。これに加えて、フローサイトメトリーによる解析を行い、このマウスでは赤血球と体毛を除くほぼ全臓器の細胞にGFPが発現しており、このマウスの骨髄幹細胞、脾細胞のT、B細胞ならびにマクロファージ分画移入によるループス病変の発現、形成機序のin vivoにおける解析が可能であることを確認した。そこで、ループス病変を発症しないMRL/+マウスを致死量放射線照射した後、これらにMRL/gld-GFPマウスの骨髄細胞を移入し、GFP陽性細胞を蛍光顕微鏡下で解析した結果、これらのマウスに発症していた少なくとも糸球体腎炎、血管炎病変においては、その糸球体病変内、動脈壁内に、ドナーの骨髄細胞に由来するTリンパ球、マクロファージの集簇を認めた。今後、これらの病変の形成におけるGFP陽性細胞の経時的動態を解析するとともに、骨髄細胞、脾細胞の移入細胞のポピュレーションの解析を加えて、組織障害に直接関与する細胞のin vivoにおける分化動態を明らかにする。
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Research Products
(5 results)