2005 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞脂肪毒性解除による新規2型糖尿病治療法の開発
Project/Area Number |
17659278
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石橋 俊 自治医科大学, 医学部, 教授 (90212919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野牛 宏晃 自治医科大学, 医学部, 講師 (60348018)
板橋 直樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (00316522)
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Keywords | インスリン / トリグリセライド / リパーゼ / ブドウ糖 / ホルモン感受性リパーゼ / トリグリセライド水解酵素 / 脂肪毒性 / 膵β細胞 |
Research Abstract |
株化膵β細胞であるMIN6細胞にパルミチン酸を添加すると、細胞内トリグリセライド(TG)含量が増加し、同時にグルコース応答性インスリン分泌(GSIS)が低下した。これに、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)を発現するアデノウイルスAd-HSLを感受させると、HSLの発現に伴ってTGリパーゼ活性が増加と細胞内TG含量の低下が観察された。同時に、パルミチン酸負荷によって低下したCSISが回復する傾向を示した。しかし、これらの実験結果に一貫性が認められないため、MIN6細胞の代わりにラットまたはマウスの単離膵島を対象に用いて、同様の実験を進めている。 HSL以外の細胞内TG水解酵素にTG水解酵素(TGH;別名、カルボキシルエステラーゼ3、CES3)がある。最近TGHに70%近い相同性を有する分子としてTGH2を同定した。また、脂肪細胞TG分解においてHSLと同等か、それ以上に重要である可能性のある分子としてATGLが報告されている。膵β細胞における主要な内因性TGリパーゼの正体は不明であるので、現在、膵島におけるこれらの分子のmRNA発現をreal-timePCR法によって評価し、膵島細胞における主要なTG分解酵素を同定中である。それぞれの組み換えアデノウイルスを作製した。HEK293細胞にTGHともTGH2とも細胞内TG分解活性がある。又それぞれのsiRNAオリゴヌクレオチドをデザインした。ラットまたはマウスの膵島を単離し、パルミチン酸処理によりTG蓄積をおこし、そこにHSL、TGH、TGH2の発現アデノウイルスの感染、siRNAを用いたknockdownによって、GSISが変化するか否かを検討中である。
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