2007 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞脂肪毒性解除による新規2型糖尿病治療法の開発
Project/Area Number |
17659278
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石橋 俊 Jichi Medical University, 医学部, 教授 (90212919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野牛 宏晃 自治医科大学, 医学部, 講師 (60348018)
安藤 明彦 自治医科大学, 医学部, 研究生 (60249315)
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Keywords | インスリン / トリングリセライド / リバーゼ / ブドウ糖 / ホルモン感受性リパーゼ / トリグリセライド水解酵素 / 脂肪毒性 / 膵β細胞 |
Research Abstract |
膵β細胞を用いた研究では従来ラットを用いて単離膵β細胞の細胞質内カルシウム([Ca^<2+>]i)上昇や単離膵島インスリン分泌を確認してきている。アデノウイルス感染による遺伝子過剰発現・siRNAによる発現抑制のためにはマウスによる実験系の確立が必要であり、そのための至適な実験条件の設定を行った。脂肪毒性をin vitroで膵島β細胞に惹起する目的でオレイン添加培養でのインスリン分泌刺激試験、脂肪分解によるジアシルグリセロールの生成がPKC活性化による膵β細胞[Ca^<2+>]を上昇させインスリン分泌を刺激する可能性があるためPKC阻害薬存在したでの膵β細胞[Ca^<2+>]iの変化の確認や、過去の報告(JPharmacol & Exp Therap315:1396-1402,2005)でGLP-1がHSLを活性化することでインスリン分泌に変化を認めていることより、GLP-1によるグルコース刺激性インスリン分泌の促進においてHSLが関与する経路の同定、さらにreal-timePCRで低発現ながら膵島での存在を認めた。HSL.TGCH1、TGH2の3者間では、TGH2の発現が最大で、HGH1の発現が最少だった。 βactinを標準としたmRNA相対発現HSL:WAT(n=3)25.5±1.8、islet(n=3)0.17±0.067、TGH1:WAT(n=3)0.76±0.090、islet(n=3)0.011±0.001、TGH2:WAT(n=3)0.69±0.10、islet(n=2)0.27±0.09、Liver(n=3)6.1±1.6 現在、HSL、TGH1、2の過剰発現・抑制による膵β細胞[Ca^<2+>]i・膵島インスリン分泌への効果の確認を進みている。今後は上記の実験の継続と、疾患動物(糖尿病モデル動物)や、高脂肪食負荷下での各脂肪分解酵素(特に膵島に認められた酵素)の発現の変化を確認し、それらの病態と高グルコース負荷時の単離膵β細胞[Ca^2+]i上昇に対する影響及び、単離膵島からのインスリン分泌への効果、さらにその機序を解明することを予定している。各種病態での評価から膵島脂肪毒性の解除によるインスリン分泌の正常化を通した2型糖尿病治療開発の基盤の形成に繋がることが期待される。
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Research Products
(3 results)