2005 Fiscal Year Annual Research Report
血糖と血圧を調節する新規生理活性物質ヘパトニンの生理機能の解析
Project/Area Number |
17659284
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70301281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千原 和夫 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00107955)
置村 康彦 神戸大学, 医学部, 教授 (30204100)
飯田 啓二 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80324911)
|
Keywords | 新規生理活性物質 / ホルモン / 代謝調節 / 遺伝子組み換え産物 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
私達は新規生理活性物質を同定するプロジェクトでは培養脂肪、肝、筋肉細胞に様々な代謝および分化刺激を行い、変動する遺伝子をデイファレンシャルデイスプレー,cDNA microarrayを用いて同定し、バイオインフォマテイックスを活用したin silico解析にてシグナルペプチドを持った分子を抽出した。スクリーニングした約26000遺伝子の内、変動を示したのが2625遺伝子、その中で428遺伝子が未知で、シグナルペプチドを持ったものが14分子あった。最終的に、代謝関連組織特異的発現を示し、実際に分泌される未知の蛋白を9つ同定した。その中で、遺伝子組み換えをマウスに投与すると、血糖低下および血圧低下作用を示すことが判明した分子がヘパトニンである。肝臓に特異的に発現し分泌されることからヘパトニンと命名した。ヘパトニンは肝臓に特異的に発現し、特異的抗体を用いたイミュノブロッテイングで解析すると、その血中濃度は摂食によって低下し高脂肪食を負荷すると上昇する。分子量は約5kDで血中では主にダイマーとして存在している。遺伝子組み換え産物をバキュロウイルスの系で産生し、マウスに経静脈投与するとグルコース負荷において有意(40%以上)の血糖低下を認める。また同時に20-30mmHgの血圧低下を認める。私たちはヘパトニンの生理的意義を明らかにする目的で実験を進め、ノックアウトマウスを作製することに成功した。
|