2005 Fiscal Year Annual Research Report
胎児型造血幹細胞の新しい純化法と遺伝子プロファイリング
Project/Area Number |
17659289
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩間 厚志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70244126)
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Keywords | 造血発生 / 造血幹細胞 / 表面マーカー / 卵黄嚢 / 傍大動脈生殖腺中腎領域 / Endomucin / TMTSP |
Research Abstract |
申請者らが骨髄CD34^-KSL造血幹細胞を用いたシグナルシークエンストラップで同定したCD34様シアロムチン膜蛋白Endomucinの発現を抗体で検出することにより、成人型造血の発生を検討した。成人型造血幹細胞活性がはじめて検出される胎生10.5日の傍大動脈生殖腺中腎領域(AGM)領域の細胞を、血球マーカーであるCD45、胎児未分化血球マーカーであるCD41、および抗Endomucin抗体で解析したところ、0.04%がCD45^-CD41^+Endomucin^+細胞であった。重要なことに、この細胞分画に多能性前駆細胞が濃縮されており、この分画のみin vivoでの骨髄再建活性を示した。また胎生11.5日には造血活性・骨髄再建活性はCD45^-CD41^+Endomucin^+細胞に移ることが明らかとなり、AGMの造血幹細胞は^-CD41^+Endomucin^+分画に高度に濃縮されること、胎生10.5から11.5日の短時間の間にCD45の発現を獲得することが明らかとなった(Maeda A, et al,業績4)。一方TMTSPは申請者らがクローニングした新規I型膜蛋白であり、Tmtsp遺伝子の開始コドンに蛍光色素蛋白遺伝子Venusを挿入することによりTMTSP蛋白の代わりにVenusを発現するknock-in ES細胞とマウス個体を作出した(TMTSP^<Venus/+>)。ES細胞の分化誘導系における血液細胞の発生や、AGMの成人型造血幹細胞の発生の良いマーカーとなることが確認された(Takayanagi S, et al,業績1)。以上のEndomucin抗体とTMTSP^<Venus/+>マウスを用いることにより、造血幹細胞発生を忠実に追うとが可能となったことから、今後は各発生段階の遺伝子プロファイリングを行って胎児型造血における特異な分子機構を明らかにしていきたい。
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Research Products
(18 results)