2005 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドミクスによる自己免疫疾患の診断と病態に関与するペプチドの検出と同定
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17659305
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助教授 (80233807)
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Keywords | 生体分子 / 生理活性 / 蛋白質 / 内科 / プロテオーム |
Research Abstract |
難治性である自己免疫疾患において病態解明と早期診断法の確立は社会的要請である。本研究は血液など体液中に存在する分子量5000(5kD)以下の小ペプチド群(以下、ペプチド)を対象とし、自己免疫疾患の診断に有用あるいは病態に関与する新規ペプチドを網羅的スクリーニングにより検出し同定することを目的としている。 今年度は膠原病のひとつである強皮症について検討した。患者群および対照疾患群、また健常者群から血液を採取し、血清を調整し、疎水性担体C18の磁気ビーズを用いてペプチド群を単離精製した後、質量分析器(MS)でペプチドの検出を行った。ペプチドピークの差(量差に相当)を、ClinProtプログラムを用いてコンピュター解析し、強皮症に特異性のあるペプチドの選別を行った。その結果、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、健常者に比べ、約10倍から20倍の濃度で存在するペプチドが複数個検出された。その後、そのペプチドのアミノ酸配列を、質量分析(MS/MS)を用いて決定した。その結果、それらがアルギニン残基の欠如したC3f断片とその派生ペプチド、あるいはメチル化されたC4断片であることを見出した。これらのペプチドの存在は強皮症に特異的であり、診断と共に病因に関与する可能性があると考えられた。また、本結果より、上記ペプチドは強皮症の診断と治療、病態解明に寄与するものとして、我が国発の知的財産として権利を確保するため、特許出願を行った。
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