2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児ミトコンドリア病の表現型を決定する遺伝的因子について
Project/Area Number |
17659307
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
須藤 章 北海道大学, 大学院医学研究科, 客員研究員 (90374412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 伸治 北海道大学病院, 講師 (00281824)
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Keywords | ミトコンドリア病 / MELAS / Leigh症候群 / ロイシン転移RNA / tRNA修飾異常 / 呼吸鎖酵素複合体1 / 13513変異 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ミトコンドリアDNAの異常と表現型との間の関係を明らかにすることであるが、我々はMELASまたはLeigh症候群のどちらの表現系も有することがあり得るミトコンドリアDNA13513G→A変異に注目した。この変異は、日本人Leigh症候群のおよそ7%に変異があることがわかっているが(Sudo A, et al.J Rum Genet 2004,49:92-96.)、MELAS患者の1割弱も、この変異を有することがわかっている(未発表データ)。最近、ロイシン転移RNAの修飾異常によりコドンUUGの取り込みが阻害され、このコドンを最も多く使用しているND6(複合体Iの構造蛋白の1つ)の合成が早期に障害を受けることがMELASの原因である可能性が発表された(Kirino, et al.Proc Natl Acad Sci USA 2005,102:7127-32.)。国立精神・神経センター神経研究所で保管されている凍結筋を用いて、MELASと診断された9症例とLeigh症候群と診断された6症例につき、それぞれの骨格筋からRNAを抽出しKirinoらの方法でロイシン転移RNAのアンチコドン修飾の状態を検出した。その結果、13513変異を有する全ての症例で、ロイシン転移RNAの修飾不全はなく、MELASとLeigh症候群との間に差を認めなかった。13513変異はND5遺伝子上に存在しND6と同様に複合体Iの重要な構成蛋白であるため、変異による複合体Iの活性低下がMELASやLeigh症候群の臨床症状の発現の重要な要因であることは確実であるが、13513変異のあるMELASでtRNA修飾異常を伴っていなかったことから、この修飾異常がMELASに共通する障害経路ではなかったことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)